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UPDATE|2022/08/29

与田祐希がプラモ作りに没頭、ドラマ『量産型リコ』が教えるモノ作りの楽しさとレトロ感

(C)「量産型リコ」製作委員会


 璃子を軸に、作中でプラモ作りの工程は深化していく。第4話ではベテラン先輩社員の雉村(森下能幸)が、璃子が苦戦中の『1/1000 宇宙戦艦ヤマト2202(最終決戦仕様)』を前にモデラ―だった若い頃の情熱が蘇り、表現のコツを熱弁。歴戦の『大和』の質感を出すべく、船体のサビにまでこだわってモデルに創作物としての「魂」を吹き込んでいく。モデラーなら共感したくなるプラモ作りの魅力が凝縮されている。このように、ストーリーが進んでもプラモ作りをじっくり描写していくのは毎回変わらない。

 スマホひとつで膨大な情報が手に入るデジタル時代に、時間をかけて組み立てていくプラモデルはアナログでレトロなホビーだ。「いつもは情報が多すぎてそこ(脳の扁桃体)が疲れてるんスけど、何か一つに集中するといきいきして集中できるっス」という1話のちえみ(石川)のセリフが、情報過多の時代に「デジタルデトックス」して打ち込めるプラモ趣味の非日常感を伝えてくれる。第6話でタブレットを手放さない璃子の甥っ子の翔真(小山蒼海)をプラモ作りに誘い、翔真が興味を持っていく様は、デジタル世代とプラモの出会いを象徴的に描いているかのようだ。

 プラモデルは独りでコツコツ打ち込める趣味だが、第8話では先輩の中野京子(藤井夏恋)を璃子と後輩の高木真司(望月歩)が矢島模型店に誘い、会社同様にチームで「Figure-rise Standard ULTRAMAN [B TYPE] -ACTION-」のモデルを組み立てていく。オリジナルの「ウルトラマン」シリーズから数十年後の未来が舞台のモデルだが、クールな先輩ポジションの京子が初めての組み立てに苦戦する様を3人で協力し、かえって3課のメンバーに一体感が生まれた。ドラマ終盤、存続が噂される3課の団結にプラモが貢献していた。

 璃子のプラモ製作風景や模型店の描写からはレトロ感が感じられるが、会社でのシーンでもしばしば璃子の席の後ろに「満天のど飴」のデザインされたポスターやのぼりが目に入ってくる。これらも何となく昭和風のレトロなデザインで、ドラマの持つレトロ感を強化してくれる。イベント企画会社という、トレンディに見られる業界の企業ながらどことなく牧歌的な雰囲気が漂う。

 2000年生まれの与田もデジタルツールが当たり前のデジタル世代。彼らが手を動かし汗を流して打ち込むプラモ作りに目をキラキラさせている様子は、視聴者にも忘れかけていた「モノ作りの楽しみ」を思い出させ、日常に元気をくれるかもしれない。

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