──初めてお会いしてうれしかった俳優さんなどはいらっしゃいましたか?
若月 遠藤憲一さんは、私がラジオなどで好きな俳優さんとしてお名前を挙げさせてもらっていて、お会いしたい方の1人だったのでとても光栄でした。その後、遠藤さんとは別のドラマでもご一緒させていただいて、私の父親役で共演させていただいたんです。今回の作品で「お会いしたかったんです」とお話をさせていただいたらすごく喜んでくださって、とてもうれしかったです。
──では、今は遠藤さんともたくさんお話できるようになりましたか?
若月 そうですね。ふざけてお互いにボケたりツッコんだりしながらお話しさせていただけるようになりました(笑)。
──それは素敵ですね。今作の台本を読んだ印象はいかがでしたか?
若月 いろいろな感情がグルグル回るというか、一言の感想では言いきれないようなストーリーだと感じました。明るい希望はきちんと描かれていますが、医療ドラマとして命を扱う作品なので、難しいです。自分の役としては、胸がいっぱいになってしまいます。自分が事故に遭ってしまって身動きもとれないような状況になったら、自分の意思を伝えることもできない。その代わり、周りの人たちがいろいろな思いを考えていくんだなと思いました。特に山崎育三郎さんが演じる夏希の旦那さんは、本当にどこに何を向けたらいいのかわからない気持ちになるんですよね。それくらい思えるほどの奥さんとして現場にいなくてはいけないな、とも思いました。
夏希が事故に会うのはあまりに突然ですが、それもリアルに感じてしまいます。実際の事故や人の死も、突然に来るものですよね。まさか自分が事故にあうとは思ってもいない時に事故にあってしまうこともあると思うので、フィクションながら現実と通ずるところがあって、考えさせられる映画だと思いました。
──家族という存在についてもすごく考えさせられました。若月さんにとっては、家族とはどんな存在ですか?
若月 家族は、一番気を遣ってあげたい存在だと思っています。本当だったら一番、気を遣わなくて、感情のままで存在しあえる関係だと思うんですが、私はだからこそ逆に一番、気を遣いたいんですよね。