FOLLOW US

UPDATE|2021/02/10

女優・坂井真紀が語る高橋伴明監督の撮影現場「伴明さんはすごく豪快で生命力あふれる方」

坂井真紀 撮影/松山勇樹 スタイリスト:梅山弘子(KiKi inc.)ヘアメイク:ナライユミ



――監督の高橋伴明さんと言えば、映画にドラマにピンク映画にと、70年代から数多の名作を世に送りだしてきた巨匠のひとり。そんな大ベテランとの初めてのお仕事はいかがでした?

坂井 主演の(柄本)佑くんも作品の公式コメントで「高橋組の一員になれるだけで最高なのに~」と言っていましたが、私もまさに同じ。ずっとご一緒させていただきたかった監督さんのひとりでしたから、そこは迷わず飛びこみました。

それに、お話自体は繊細ではあるけれど、監督の伴明さんはすごく豪快な方で。生命力にあふれる伴明さんが、死に向かうシーンを本気で撮る。一瞬、逆ベクトルのような感じもするそのギャップが、すごくいい距離感と集中力を生んだのかなって気はしています。

――現場では具体的な演技指導なども?

坂井 多くは語らないからこその言葉の重みがあると言うか、ポイントポイントで、すごく的確なことを言ってくださいました。「この場面はこういう気持ちだから、こうやって~」みたいな細かいことはまったくおっしゃらない替わりに、とにかくテストでやったお芝居をすごくよく観てくださっている。

現場でお芝居をちゃんと観てくれる、というだけで役者は安心できるんですよね。事前に作ってきたカット割りだけをずっと見ている方だと、こちらもすごく不安になる。その点、伴明さんはドーンと構えていて、「はい、やれ!」と場所を与えてくれて、力強く見守って、判断してくださる。その時の現場の集中力がまた心地よいのです。こちらも自然と「やるしかない!」って気持ちになります。

――とりわけ印象に残った撮影中のエピソードなどはありますか?

坂井 めちゃくちゃ暑かったことですね(笑)。真夏に一軒家を借りてロケをしていたんですけど、撮影中はクーラーをつけるわけにもいかないので、衣装が濡れちゃうぐらい汗もダラダラと垂れてきちゃう。私自身も、ギュッと集中してお芝居を重ねていかなきゃいけないシーンが続いていたので大変でした。

ただ、カットがかかっても、重いシーンが続くので、暑さの中でも現場の緊張感は続いていました。でも伴明さんの撮影のテンポはとても早いのです。伴明さん、早く撮って早く帰りたいのかなっていうくらい(笑)あ、この部分は、書かないでください(笑)。


RECOMMENDED おすすめの記事