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UPDATE|2020/09/13

ヒロシが語るソロキャンプの魅力「自由に遊べばいい、自由さが醍醐味なんです」

ヒロシ


──今のお話にも感じられましたが、ヒロシさんのキャンプ哲学みたいなのがどんどん高まっているのかなと、本を読んで思いました。

ヒロシ そうなんですよ。こうしてキャンプについて思いを巡らせて、本に文を書いたり取材を受けて話したりすると、「俺、哲学者なんじゃないか?」と思うぐらい、どんどん深い考えになっていくんですよ。焚き火について書いたページにいたってはもはや、延々と炎を題材に、完全な妄想を巡らせているだけですからね。

──道具選びからも哲学や美学を感じます。決して高価なものを使うのではなくヒロシさんが自分のキャンプにおいて最高だというものを使用していますよね。

ヒロシ いやぁ~、そうなんです!! 不思議なものでキャンプ道具って高けりゃいいものじゃなくて、高くても自分のキャンプに合わないものは全て不要物になるんですよね。最初に買ったテントは14万ほどするのですが、全く自分に合わずほぼ使わなかったからね。けど、そのテントが必要な人もいる。逆に僕が必要だと思う道具が不要な人だって当然いる。そういうものなんですよ。ましてや便利でも不便でもいいんです。デザインがいいとか、色がいいとか、そんな理由で選んでいいんですよ。例えば僕が愛用しているグッズの中に僕がやっている旅番組(『迷宮グルメ 異郷の駅前食堂』BS朝日)で……確かインドネシアに行った時かな? そこで買ったホーローのマグカップ。これは全くキャンプ向けでもないから、日本のキャンプショップでは絶対に置かれないようなもので。けど僕は、焚火にかけて、良い具合に汚れが味になるまで使っているんですよ。

──すすけ具合がまるで模様のようになっていて、オシャレですね!

ヒロシ ですよね! 家庭用品も使い込めば、一気に自分なりのキャンプ道具になるわけです。あと、焚火会仲間のウエストランド・河本太ちゃんから譲ってもらった、亡くなったおじいさんが使っていたナタも非常に良い物で。元々は農機具で全くキャンプ用に作られていないのに、非常に使いやすいし見た目も非常に味わい深くていいんですよ。これはまさに僕だけが使っている“自分だけ”の道具。それって最高じゃないですか。こうして自分が良いと思ったものを自由に使って、自由に遊べばいいんです。その自由さがキャンプの醍醐味ですから。
AUTHOR

田口 俊輔

CREDIT

取材・文/田口俊輔 撮影/松山勇樹


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