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UPDATE|2020/07/26

検察官から法務大臣へ、山下貴司議員が語る「木村花さんの悲劇を受け、政治が出来ること」

左から井上咲楽、山下貴司 撮影/松山勇樹



山下 実際、最高裁まで争い、2年間かけてようやく発信者が開示されたケースもあります。でも、プロバイダー側に発信者のログは3ヶ月分しか残っていない場合がほとんど。つまり、裁判所が開示を求めても何も残っておらず、被害の回復ができない実態があります。これはあまりにも実情に合っていませんから、プロバイダー責任法を改正していく必要があるわけです。もちろん、表現の自由は尊重された形で被害に合う人たちも救済できるよう各省庁で知恵を出してもらおうと思っています。

井上 表現の自由は大事にしてほしいけど、2年かけても無駄だった、なんてことは絶対になくなってほしいですね。

山下 例えば、Twitterで発信された誹謗中傷がリツイートされ、拡散していくと、元のツイートを消してもネット上に情報は残ってしまいます。これは一生消えないんですよね。僕たち便利に使っているSNSをはじめ、ネットにはそういう危険な側面があります。

井上 ネットって便利だけど、残りやすくて消しにくい。

山下 NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』で本木雅弘さん演じる斎藤道三の、「言葉は刃(ヤイバ)ぞ」というセリフがありました。ツイートにしろ、何にしろ、ネットの言葉も刃です。本当に命が消えてしまうような悲しい思いをしている人がいるのであれば、救済する手段があるんだよ、と。その道筋を見つけていきたい。それが政治の責任だと思います。

(取材・文/佐口賢作)

▽井上咲楽(いのうえ・さくら)
1999年10月2日生まれ、栃木県出身。A型。『おはスタ』(テレビ東京)の水曜レギュラーほかバラエティ番組を中心に活躍。Twitter:@bling2sakura

▽山下貴司(やました・たかし)
1965年9月8日生まれ、岡山県出身。自民党所属衆議院議員。東京大学卒業後、検察庁検事を経て衆議院議員に。令和初の法務大臣であり、8年で10本の議員立法を実現し、Mr.議員立法と呼ばれる。
CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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