──そんな中で吉本坂46のオーディションを受けようと思ったきっかけは何だったんですか?
小寺 新喜劇で私が舞台に出ても、ほとんど拍手がないんですよ。やっぱり座長さんとか、プライベートで仲良くさせて頂いている山田花子姐さんなどのレジェンドが出ると、ものすごい拍手を頂ける。そこで自分が圧倒的に足りないのは知名度だなと。
──新喜劇だけで知名度を得るには時間もかかりますしね。
小寺 そうなんです。それを突き詰めるのも大切なんですけど、前田真希姐さん、井上安代姐さん、金原早苗ちゃんなど、それほど年齢が変わらない私の先輩にあたる姐さんの層が厚いんですよね。演技の上手い方たちばかりですし、毎週のように舞台に出ている。私は毎日出られる訳ではないですし、現状だと敵わない。でも新喜劇は続けたい、知名度を上げたいって思っていた時に、吉本坂46のオーディションの話があったんです。川畑座長に相談したら、「向いてると思うし絶対受けや」と言ってもらえました。
──『吉本坂46が売れるまでの全記録』(テレビ東京)でオーディションの様子を拝見していましたが、小寺さんは早くから頭角を現していた印象でした。
小寺 最初の頃は全然でしたよ。SHOWROOMの配信を頑張って、不安症なのでアナログでも攻めようとチラシ配りをやって。がむしゃらにやっているうちに、徐々にでした。そこまでなりふり構わず努力したのって人生で初めてのことでしたね。
──そもそもSHOWROOMの生配信も自主的に始めていましたが、経験はあったんですか?
小寺 なかったです。お友達の有村藍里ちゃんが「まりこりん(小寺)に合ったツールだと思う」って教えてくれたんです。ただ始めるにもマネージャーさんの許可が必要だったんですけど、当時の私からしたらおこがましいというか、自分から遠慮してしまったんです。そしたら川畑座長が「受けたんだったら責任を持って最後までやらなあかん。それ(SHOWROOM)がチャンスだったら行ってこい」と言ってくれて、その足でマネージャーにお願いしに行きました。そしたら偶然なんですけどSHOWROOMの部署に、つぼみ時代にお世話になった方がいて、すぐに話を通してくれて、その日の晩から配信できるようになったんです。
──小寺さんは今回のシングル『不能ではいられない』のMV本編で使用されていない映像を自らCM風に編集して、SNSで発信していますけど、あれも自主的に始めたんですか?
小寺 そうです。吉本坂46に入って、東京に出てくることが多くなって、SNSを駆使せないけない時代やなって痛感したんです。まだ大阪だとSNSを積極的に活用している芸人さんは少ないし、YouTubeをやっているのも東京の芸人さんが多いんですよね。『不能ではいられない』の動画に関しては、自分を売り込みたいというよりも、MVがすごく良かったからなんです。メンバーが血眼になって踊っていたシーンが、本編ではエキストラさんで隠れてしまっているところが多くて。そのシーンも見てもらえたら最高やなと思って作り始めました。
──かなり凝った作りの動画ですよね。
小寺 NGK(なんばグランド花月)には映像を作るプロがいてるし、『吉本坂46が売れるまでの全記録』のスタッフさんも教えてくれるので、いろいろ教えてもらいました。