生方美久はドラマのキーワードとして、「選択」を挙げている。そして主人公の夏は、自分の意思で「選択」することを避けてきたキャラクターだ。何を聞かれても、どっちつかずの返事をするばかり。恋人の弥生には「“うん"と“ううん"の間みたいな返事、やめれる?」と注意されてしまうほど。
一方水季は、自分の意思ではっきり「選択」をするキャラクター。決して迎合することなく、我が道を行く。そんな彼女だからこそ、流されやすい性格の夏のことを、「人に合わせられるなんてすごい!」と肯定的に捉え、好意を持つようになっていく。夏は優柔不断なダメ男なのではなく、誰よりもまず相手のことを第一に考える心優しき人物なのだ。
そんな夏が、自分が父親であることを知る。「夏くん、海のパパでしょ?夏くんのパパはいつ始まるの?」という海の問いに、彼ははっきりと答えられないまま、第1話は終幕を迎えた。今後も、彼の「選択」を見守っていきたい。
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