歌舞伎町の夜の世界で異彩を放つホストがいる。並み居る男性ホストを押しのけ、年間2億円を売り上げる女性ホスト、天使ニア(あまつかにあ)だ。今年2月からは新店「Blue Rose」でホストクラブ初の女性代表に就任した。性自認は女性、好きになる相手は女性という彼女にホストになったきっかけから、男性社会で働く現状について話を聞いた。(前後編の後編)
【写真】「性自認は女性、好きになる相手は女性」天使ニアの撮り下ろしカット【7点】――SNSで話題になるなど、女の子ホストに注目が集まっている現状についてはどう感じていらっしゃいますか。ジェンダーに関して聞かれることも多いですけど、本当に思うことが何もなくて。まぁでも、そのくくりがなかったら、こんなに注目されることもなかったと思うので、ラッキー!ピース!って感じです。
僕以外の女の子ホストって、現状増えては減っている感じなのかなと。半年以上続いている女の子ホストって多分、そんなに多くないんですよね。やはり難しいんだなって思います。
――天使さんが続けられている理由はどこにあると思いますか。絶対に、メンタルが死ぬほど強いから。そこに尽きますね。へこむことがほぼない。
――どうすれば、そこまでメンタルを強くできるのかなと気になるところですね。一度、死ぬほど傷つかないと無理なんだと思います。人生で、これ以上しんどいことないだろうってくらい深い気持ちを経験していないと、こんなに強くなれないかなと。…僕もやっぱり、いろいろありましたから。
――YouTubeの面接動画でも、天使さんに憧れてホストを目指すという方もいらっしゃいましたが、そういった女の子ホストに対してエールを送るなら?ん〜、変な辞め方だけはすんなよって思っています。従業員の男の子に手を出して辞めるとか。噂では聞くので。姫たちが女の子ホストを気にしたり、嫌だなって思ったりするのは、実際に自分の担当に手を出されるんじゃないか、みたいなことを思うからなんですよね。
僕はどれだけ過去を深掘りしても、今のこういうボーイッシュな姿の写真しか出てこないんですよ。中学生とか小さいころは多少あるかもしれないですけど。大学生以降は、ずっとこんな感じなので。でも、本当にちょっと前までめちゃくちゃ女の子でした、っていう子は多分、姫たちから見たら不安になると思うし。採用するときも見極めるのが結構難しいです。
本人の趣味嗜好だから、本当に女の子が好きなのかはぶっちゃけ分からないけど、僕も周りに女の子が好きな友だちは多いから、喋り方とか仕草とか。自分が持つ統計データを参照しつつ、ちょっとした感覚でひっかかる子はダメだなと思っていますね。