──不安の大きい中、本番を迎えましたが、どんな気持ちでパフォーマンスに臨みましたか?
田村 始まる前は怖かったんですけど、パフォーマンスしているときは正直怖いとは思わなくて“苦しかった”です。後から映像を観返してもすごく苦しそうな顔をしていたなと(笑)。でも正直あんまり覚えていなくて、ただ1日目の終演後は「できなかったな」とすごい落ち込んでめっちゃ号泣しちゃってました。
──どんな部分ができなかったと思ったんでしょう?
田村 1日目は初めっから『不協和音』のことしか考えられなくて。もうそこの時点でよくないし、そんな自分が許せなかったです。大事なところでも間違えてしまいましたし、「僕は嫌だ」の叫びも公演通して全て納得できないどころか申し訳なくて。「ごめんなさい」ってずっと泣いていました。
──そんな出来事があってからの最終日(2日目)はいかがでしたか?
田村 これまでは初日が終わったら間違えてしまうところも分かっているし、それ以降の公演は落ち着いてできることの方が多かったんです。でも、今回は逆に間違えるところを分かっているからこそ、絶対に間違えられないという怖さがありました。
──でも、2日目の田村さんのパフォーマンスや「僕は嫌だ」という叫びは心に響くものがありました。あの叫びは何か意識して声を出していたんでしょうか?
田村 正直あんまり覚えていなくて、後から映像を観て「あ、こんなんだったんだ」という感じでした。『不協和音』をやっているときに観た景色も全然覚えていないですし、今思えばペンライトも全く見えていなかったと思います。ただ覚えているのは平手さんの「僕は嫌だ」の声と、イントロが流れたときの歓声、パフォーマンスが終わったときのことだけ。
──アスリートなどが極限の集中状態のときに記憶がなくなることがあると聞いたことがあります。田村さんもそうだったのかもしれませんね。
田村 集中してたのかな(笑)? そうだったらうれしいです。