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UPDATE|2024/04/09

矢部太郎が明かす、板尾創路からもらった謎のプレゼント「もらう・あげるの繰り返しが人生」

矢部太郎 撮影/松山勇樹



──板尾さんはどんな方ですか?

矢部 優しくて、懐が深くて、でも何を考えているのか分からないようなところもあって、宇宙みたいな方です。相方のほんこんさんとも仲良くしていただいているんですが、対照的なタイプなので、お二人がコンビというのも不思議です。

──板尾さんから、どうして矢部さんを起用したのか聞いたことはありますか?

矢部 現実感がなくて、ファンタジーっぽいからいいみたいなことを仰っていただきました。

──板尾さんもそういうところがありますよね(笑)。矢部さんが板尾さんからもらったプレゼントも変わったものばかりで、そこも矢部さんに似ています。

矢部 僕と同じで、たぶん板尾さんも変わったプレゼントという意識はないと思うんです。誕生日プレゼントに「130センチ」って書いてあるキッズ用のTシャツをくれたのも、僕に似合うと感じたからだと思うんです。実際にサイズもぴったりでしたし。ただ一緒にモンゴルに行ったときに板尾さんがくれた手鏡はマジで意味が分からなかったです……。

──どのタイミングで手渡されたんですか。

矢部 出発当日、朝集合して、タクシーで空港まで向かう前に配られたんです。もう一人先輩がいて、一人一個ずつで、板尾さんは自分の手鏡も用意していました。確かに旅で役立ちそうな気もするけど、三人で一個あればいい気もするし、余韻のあるプレゼントが板尾さんっぽかったです。

──何の用途か板尾さんには聞かずに?

矢部 聞かなかったです。聞けないような空気が板尾さんにはあるんです。そもそも手鏡を何に使うか聞くのもおかしいじゃないですか。ただ、一週間モンゴルに滞在したんですが、一度も手鏡は使いませんでした(笑)。

──改めて矢部さんにとってプレゼントとは何でしょうか。

矢部 プレゼントって深く考えずにやり取りしているところがあると思うんですけど、思っている以上に、もらっているものも、あげているものも、たくさんあるなと。それは物質として残るものだけじゃなく、言葉なんかもそうだなと『プレゼントでできている』を描きながら感じていて。モンゴル人一家しかり、板尾さんしかり、人と人を繋げるものがプレゼントで、繋がりの中に自分がいて、「もらう・あげる」ことの繰り返しが人生なんじゃないかなと思います。

【あわせて読む】矢部太郎の最新エッセイ「人からもらったものをマンガにしたら減価償却できるんじゃないか」
AUTHOR

猪口 貴裕


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