FOLLOW US

UPDATE|2024/03/06

『ブギウギ』“赤い炎”のスズ子と“青い炎”のりつ子「趣里と菊地凛子の関係の変化がドラマにも」

左から、茨田りつ子(菊地凛子)、福来スズ子(趣里)。 スズ子の家・表にて。りつ子と話すスズ子。 『ブギウギ』第100回。写真◎NHK

現在放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』。スズ子のライバル的存在として登場したのが、菊地凛子演じる茨田りつ子だ。歌手・淡谷のり子をモデルに、スズ子とは対照的な“棒立ち”の歌唱スタイルと、辛口トークが魅力のキャラクターである。『ブギウギ』制作統括・福岡利武チーフプロデューサーも「難役」と話すりつ子役に、なぜ菊地凛子を抜擢したのか。その理由を聞いた。

【関連写真】放送後、話題となった茨田りつ子(菊池凛子)『別れのブルース』歌唱シーン

「キャスティングは本当に難しかったです。これまで菊地凛子さんとはお仕事をしたことはなかったんですが、ぜひ一緒に仕事ができればと思っていました。菊地さんの過去の出演作を見て、菊地さんがりつ子に合うんじゃないかと思ったんです」

淡谷のり子と言えば、ムーディーにしっとりと歌い上げるステージが魅力の一つだ。菊地はどのようにして、独特な雰囲気とそれに負けない歌唱力を習得したのだろうか。

「淡谷のり子さんの『別れのブルース』と『雨のブルース』が、とても難しい歌なんです。この歌をしっかり歌っていただくために、菊地さんには物凄い回数の歌の練習をしていただきました。菊地さんはすごく明るく真面目な方なので、淡谷さんのお墓参りに行ったり、何度もレコーディングをしたり、熱心に役作りをしてくれました。そのおかげで、りつ子は魅力的かつチャーミングな役になったんじゃないかなと思います」

一見怖そうに見えるが、実は人情深く、スズ子のことを信頼しているりつ子。福岡チーフプロデューサーは、スズ子とりつ子の情熱の違いをこう表現した。

「僕の中のイメージは、スズ子は赤く燃える炎で、りつ子が青く燃える炎でした。どちらも温度は高いんですが、見え方が違うキャラクターを目指していました」

確かにスズ子は自分の持つエネルギーをバンッと舞台にぶつけるタイプだが、りつ子は胸の内に秘めた静かなる思いを淡々と、それでいて質量を持って放出しているように見える。

「台本を読んだ感じでは、りつ子はピリッとした怖いイメージだったんですが、菊地さんがピリッとした台詞の中にチャーミングを感じる演技をしてくれて、それがとても良かったです。りつ子というキャラクターは複雑なところもあったと思うんですが、口ではそういうものの…という内面の部分もしっかりお芝居していただいて、深みのあるりつ子になったのではないかなと思いました。歌の場面もとても素敵に仕上がったと思っています」

AUTHOR

音月 りお


RECOMMENDED おすすめの記事