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UPDATE|2024/02/17

全日本12連覇・江畑秀範、BD参戦にテコンドー界から非難の声も「信念を持って恩返しを」

Breaking Downオーディションに登場した江畑秀範(公式YouTubeより)

テコンドー全日本12連覇を成し遂げた“本物”が「Breaking Down 11」(2月18日、東京・プリズムホール)に参戦する。江畑秀範(31歳)は身長198cmの身長を活かし、2階から振り下ろすようなキックで相手を圧倒するファイター。先に公開されたオーディション動画では、喧嘩自慢100人企画でベスト4入りした布谷天志とスパーリングする展開に。ここで格闘ゲームのように華麗な足技コンボをキメまくり、「テコンドー鬼強くて草」「テコンドーの人ヤバすぎる。どこからでも足が顔面に飛んでくる」「Breaking Downに出ちゃいけないレベル」などと賞賛の声がコメント欄には溢れかえった。試合を目前に控えた本人に話を聞いた(前後編の後編)。

【画像】「生物的にレベルが違う」オーディションで華麗な足技を見せる江畑秀範【5点】

 ここで素朴な疑問をぶつけてみた。「テコンドーは路上のケンカでも強いのか?」ということだ。オリンピック日本代表選手に向かって失礼なのは重々承知だが、実は近年、本場・韓国でもテコンドー選手のMMA惨敗が続いており、その実戦性に疑問符がついているのである。

「ストレートに言いますね。テコンドーだけやっていてもダメだと思います。テコンドー王者というのはテコンドーという競技の中で最強なわけで、ルールが違うと蹴るタイミングや軌道も変わってくるものですから。ただ、これだけは強く言いたい。MMAでもキックでもボクシングでもいいけど、格闘技経験者はテコンドーの技術を身につけたほうが絶対いい。たとえばですが、堀口恭司選手や那須川天心選手がテコンドーを習得したら本当の意味で無敵になるでしょう。世界トップレベルの最強に近づこうと思ったら、どの競技よりもテコンドー技術が必要だと僕は信じています」

 テコンドー選手の優位性は「距離感」と「駆け引き」にこそあるという。相手がキックやMMAの世界チャンピオンだろうと、蹴りに関してはすべて見切ることができると江畑は断言する。キックはパンチの3倍威力があると言われるが、テコンドーの正確無比な足技の凄味は前述したオーディション動画で一目瞭然だろう。

「あのときは相手に恵まれましたよね。喧嘩自慢ベスト4と言ったところで、しょせんは素人の方ですから。僕からしたら、向こうの動きなんて全部はっきり見えるわけですよ。動画を観た方が『テコンドー、すげぇな』とか驚いてくれるのはありがたいですけど、あれは僕の実力の40%くらいしか出していない。その気になったら、もっとボコボコにできましたけどね」

 江畑のアスリートとしての能力には疑問を挟む余地もないが、過去のBreaking DownではK-1レジェンド選手がヤンキーに敗れるような場面も目についた。今回の対戦相手は“北九州最強の男”松井健。THE OUTSIDER出身で、プロキックボクシングの経験もある喧嘩師だ。

「まったく油断はしていませんね。なぜなら格闘技経験がない素人でも、1分間なら勝てるチャンスがあるから。たとえばサッカーを前半5分、後半5分のルールでやるとします。そうしたら、高校生がJリーガーに勝てる可能性もあるでしょう。同様に9回までやる野球を2回で終わらせたら、プロ野球チームが草野球に負けることもある。

今までBreaking Downでプロが負けることがあったのも、納得できる話ではあるんですよ。だから今回、僕はBreaking Downルールに合わせた対策もバッチリしているし、テコンドー特有の距離感をキープする戦術を取っていく。万全の状態で挑みます」
AUTHOR

小野田 衛


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