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UPDATE|2023/11/29

1日か?3年か?…ドラマ『ONE DAY』と『下剋上球児』が仕掛けた時間軸のギミックを考える

『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)公式HPより

ドラマを視聴するとき、その作品が描く”時間”について注目したことはあるだろうか。日本のテレビドラマの多くが10話完結となっており、作品によって9話、11話で完結することや、シリーズ化して数クールにわたって放送することもある。

【関連写真】『下剋上球児』主演・鈴木亮平と元プロ野球選手の鳥谷敬

今期のドラマでは、月9『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』(フジテレビ)と日曜劇場『下剋上球児』(TBS)が物語において印象的な時間の使い方をしている。今回は、毛色の違うこの2作品が、どのように時間を捉えてストーリーを展開しているのか考えたい。

『ONE DAY』は、2023年12月23日23時30分に銃殺事件が起きたことをきっかけに、登場人物たちにとって翌日のクリスマス・イブがどんな1日であるかを1クールかけて描く。

銃殺事件の容疑をかけられたものの、記憶をなくし逃亡している勝呂寺(二宮和也)と、地方テレビ局のキャスターとして銃殺事件を追う倉内(中谷美紀)、レストランのシェフでクリスマスに向けて準備を進める・立葵(大沢たかお)という3人の物語。

ある1日を切り取ったドラマといえば、「物語上の24時間を1時間ずつ、24話で描いた」ドラマ『24-TWENTY FOUR-』を思い描く人も多いだろう。しかし、先述したとおり日本のテレビドラマはおおよそ10話で完結することが多い。

そこで『ONE DAY』では、各話ごとに描く時間の長さを変えながらも、細かい時間設定を視聴者に示している。第1話では、クリスマス・イブの0時00分から7時19分まで、第2話は7時29分から8時36分までの1時間7分を描いた。時間は進み、11月20日に放送された第7話は14時19分から15時36分だった。時間軸からも、物語は後半に差し掛かり佳境を迎えようとしているのがわかる。

興味深いのは、毎話エンドロールで示される時計が少しずつ進んでいることだ。何時にどのような出来事が起きていたのか、時間を中心にして内容の振り返りができる仕組みだ。

主演のひとりである二宮和也も自身のX(旧Twitter )で、毎話の時間軸についてツイートしており、細かい設定が重要であることを伺わせている。今はまだ気づかされていない伏線も多いのかもしれない。
AUTHOR

鳥羽 竜世


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