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UPDATE|2023/11/28

『セクシー田中さん』が描く“双方向”のシスターフッド、対人関係に悩む人こそ観てほしいドラマ

『セクシー田中さん』(日本テレビ)公式サイトより

現在放送中の『セクシー田中さん』(日本テレビ)は木南晴夏主演、地味なOLでありながら、ベリーダンサーとしても活躍する田中京子を主人公にしたラブコメディだ。

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劇中での木南のベリーダンスも見どころだが、物語で注目すべきは、主人公・田中の同僚で、田中の生き方に強い憧れを持っている倉橋朱里(生見愛瑠)とのシスターフッドが描かれている点だろう。

そもそも、シスターフッドという言葉をご存知だろうか。もともとは1960〜70年代にかけて世界各地で起きた女性解放運動で使われた言葉。男性優位な社会に対して、女性同士が立ち上がり、連帯を示す言葉である。近年、日本でもシスターフッドをテーマにした作品が多く制作されるようになった。日本では、実際の姉妹でなくとも、強いつながりを持ち、友達を越えた人間関係を描く作品をシスターフッドと表現する事も多い。

『セクシー田中さん』においても、主人公・田中と倉橋が深い関わりを持ち、仕事やベリーダンスを通してお互いに支え合う様子が描かれている。田中は、友達も恋人もできたことのないアラフォーOLでありながら、ベリーダンサーSali(サリ)として舞台に立つ一面をもつ。OLとしての実力も申し分なく、税理士の資格を持ち、TOEIC900点越え、さらには一人暮らしの家での家事も完璧にこなす才色兼備。一方倉橋は、派遣OLとして田中と同じ会社で働く愛され女子で、田中とは対極にいるような存在だ。

しかし二人にはそれぞれに悩みがあった。田中は胸を張って生きたい、変わりたいという切実な思いからベリーダンスを始めた経緯がある。また一見愛されキャラの倉橋も「若くてかわいい」ことのみが自分の価値だと考えており、長くは続かない自分の魅力に危機感を持ち、普通の幸せを探しているところだ。

倉橋は、偶然観たベリーダンスのショーで、そのダンサーが同僚の田中であることに気づき、田中のファンになる。田中への憧れが募るあまり、自身もベリーダンス教室に通い始めるのだ。ドラマの初期では、田中を追いかけるようにして頻繁にベリーダンスを観に行ったり、レッスンに通ったりと、憧れが募るあまり倉橋が田中を追いかける構図があった。

しかし一方通行な気持ちだけでなく、お互いを思いやり、良い影響を与え合える存在こそシスターフッドといえる。
AUTHOR

鳥羽 竜世


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