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UPDATE|2023/10/19

『いちばんすきな花』でもテーマに、国内ドラマは人類永遠の矛盾「男女の友情」をどう描いてきたか

『silent』スタッフが贈る、秋の新ドラマ『いちばんすきな花』ポスタービジュアル(公式Xより)

はるか昔から人類を悩ませてきた「男女の友情は成立するのか」という問題。人々の関心は現代でも変わらず、10月12日からスタートした新ドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)でも、1つの大きなテーマとして扱われている。

【写真】映画『恋は光』で初共演した神尾楓珠×西野七瀬の撮り下ろしカット【21点】

これまで日本のドラマでは「男女の友情」はどのように描かれてきたのだろうか。結論から言うと、そこにあるのは“男女関係の業”が織り成す泥沼の人間関係ばかりだった。

例えば2008年に放送されたドラマ『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)では、シェアハウスを行う男女4人の人間関係が描かれていた。シェアハウスの住人は、DV彼氏を持つ主人公・藍田美知留(長澤まさみ)と、そんな彼女に恋愛感情を抱いている親友の岸本瑠可(上野樹里)、中性的な雰囲気の男性・水島タケル(永山瑛太)、サバサバ系女子の滝川エリ(水川あさみ)というメンバー。

恋愛関係の問題を抱えた男女4人が、ひとつ屋根の下で身を寄せ合い、友情を育んでいく物語……にも見えるものの、実際はそうはいかなかった。

結局このドラマでは、彼氏のDVから守ろうとしてくれる優しいタケルに主人公が惹かれ、瑠可はそんな主人公が好き、という三角関係に発展。さらにサバサバ系のエリも酔った勢いでタケルにキスをしており、男女の友情は成立していなかった。

また、2004年の名作青春ドラマ『オレンジデイズ』(TBS系)にも印象的な一幕がある。そもそもラブストーリーなので主人公の結城櫂(妻夫木聡)とヒロインの萩尾沙絵(柴咲コウ)が最終的にくっつくのはわかるだろうが、問題は2人の友人である相田翔平(成宮寛貴)と小沢茜(白石美帆)だ。

しっかり者の茜は、女遊びの激しい翔平によく厳しい言葉を投げかけていたものの、なんだかんだで気の置けない友人といった雰囲気だった。しかしお互いを知るうちにいつしか恋仲へと発展。かねてより茜に好意を寄せていた矢嶋啓太(永山瑛太)と三角関係を繰り広げており、やはり男女の友情は成立していない。

また2023年1月期に放送されたドラマ『恋と友情のあいだで』(フジテレビ系)も、堀田茜と泉澤祐希の演じる男女が、文字通り恋愛と友情の間で揺れ動きながらも最終的に結ばれている。

あくまでもドラマなので、物語をおもしろくするためにあえて恋愛に発展させている部分もあるのだろうが、ことごとく恋愛に発展していく「異性の友人」を見ていると、やはり男女の友情を成立させるのは難しいのかもしれないと思えてしまう。


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