──青磁の印象や、ダブル主演の白岩瑠姫さん(JO1)との間でのエピソードはありますか?
久間田 青磁はもう……私にないものばかりを持っていますね。自由奔放で人を引っ張っていく魅力があって、白岩さんとお芝居をしている間も目の前の青磁がまぶしく、うらやましく思えるくらいでした。ムードメーカーなところも青磁そっくりで、(白岩とは)少女マンガ好き同士だとわかって、一気に打ち解けるようになりました!
──お2人はどんな作品がお好きでしたか。
久間田 『アオハライド』が特に好きでした。お互い年齢も近いので、同世代直撃の作品の話になると盛り上がりました。この『夜きみ』の原作小説もキュンとした甘酸っぱさがあって、茜と青磁の関係がすごく濃く描写されています。初対面で茜は青磁に「お前のこと、大嫌い」と言われてしまうんですが、彼のような子ってクラスに1人はいるような気もするんですよね。
人の話を聞かないし学校も時々サボったりするけど、何だか気になるというか。彼の内面を知りたくなりますね。白岩さんは髪色もハイトーンで、役の時と素の時のギャップがほとんどなくて、休憩中でも青磁のままでいるようなたたずまいでした。私もおかげで、茜としてのお芝居に入りやすかったです。
──青磁は茜とは正反対の自由で自分に正直な存在で、しかも絵も上手くて茜もそこに惹かれていきます。久間田さんは絵はいかがですか?
久間田 美術館などで観るのは好きなんですが描くのは全くダメで…青磁のように描く側でなかったことにちょっと安心してしまいました。白岩さんが練習を重ねてらして、作中の絵も本当に描いているので、青磁が絵を描くシーンは撮影後に見ると余計に素敵に思えました。
──監督は、美しい映像表現がファンの心をつかんできた酒井麻衣さんでした。
久間田 私は「明日カノ(明日、私は誰かのカノジョ)」がマンガから大好きで、酒井監督が手がけたドラマ版ももちろん観ていて、ドラマでの再現度の高さに衝撃を受けたばかりでした。いつか監督の作品に出演できたらなと思っていたところにこの『夜きみ』に出会えたんです。
青磁の「青磁色」と茜の「茜色」に空が染まる場面を撮るためにマジックアワーに撮影をしたりと、キャラクターへの愛があふれる現場になりました。真冬の未明に撮ったシーンでしたが、その分私も集中力を高めて臨めたので、全くつらくなく楽しかった思い出です。