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UPDATE|2023/08/08

ファッション誌『STORY』の表紙モデルに、いま〝エビちゃん〟こと蛯原友里を起用する理由

『STORY』の撮影風景


つくづく、蛯原さんは「強いモデル」です。何がって、まず顔が強い、目が強い。ただそこにいるだけで、成立する稀有なモデル。それゆえ編集部もその強さに、つい頼ってしまいがちです。『STORY』の撮影現場にて、クールな表情でのカットが続いたことがありました(フォトグラファーのリクエストでもあったわけですが)。

そんな中、編集者から何げなく発せられた、「笑顔も少しください」という一言に、場の空気が一瞬にして凍りつきました。もちろん彼女はその後、笑顔のショットもくれたのですが、編集者は大いに反省します。もしかしたら、「エビちゃん時代」の笑顔は、周りから求められたゆえの、作られたキャラとしての笑顔だったのではないか。ならば、現在の蛯原さんには、「このページのこのカットだから、こんな笑顔が必要です」、そこまで伝えて納得してもらわないと、本当の笑顔はできないんじゃないかと。

43歳の今の彼女の、自然な笑顔を探していこう。これは私たちの課題であり、使命です。作り手側こそ、より一層精進しないといけない。一編集者として、いま一度、私たち自身が鍛えられるモデルに出会えたと思っています。

『STORY』は、創刊20周年を迎えた昨年末、新たなタグラインを掲げました。「オシャレも人生も、「揺らいでから」が楽しい!」というものです。カラダも気持ちも変化が起こる40代は、「私の人生、これでいい?」と、自分を見つめ直す〝第2の思春期〟です(これは女性に限らず、男性もそうではないかと思います)。既婚の人、未婚の人、子どもが大きい人、まだ小さい人、バリキャリに専業主婦と、立場やキャラは多様だけれど、「揺らぎ」があるのは皆同じだと思うのです。

でも、揺らいでいるからこそ、立ち止まって考えることもあるだろうし、だからこそ変われる、成長できる可能性がある。『STORY』は、マイナスをプラスに転換する提案を毎号発信していますが、そのメディアの顔になるモデル、このタグラインを今の時代に体現できるキャラクターは、「蛯原友里」しかいない。そう確信したことが、表紙モデルに起用した最大の理由なのです。

昨年秋、日本を代表するアパレル会社・オンワード樫山の基幹ブランド「23区」から『STORY』に声がかかり、「ブランドのカタログを作ってほしい」というオファーがありました。

これは、「スタジオ事業」と呼ばれるもので、構成から、キャスティング、ビジュアルディレクション、キャッチコピーなど、雑誌メディアのクリエイティブ力に厚い信頼を寄せていただき、任された仕事です。そのカタログに、蛯原さんを起用したところ、予想をはるかに超える大きな反響がありました。特に冬カタログは、Webページを経由した売上額が前期比140%を記録するなど、「23区」における、’22年秋冬の飛躍的な売り上げに大きく貢献したと評価されました。

インスタグラムをはじめとするSNSでも情報が広く拡散されたことから、若い世代にも彼女が「奇跡の40代」と認識されていたこともわかりました。まさに老若男女に届く強さを持っていた、かつての「エビちゃんブーム」の〝エビ売れ〟が、令和の時代にも健在だったことが証明されたのです。

時を重ねて、さまざまな経験を積み、今がいちばん美しい40代。彼女たちに向けて、「今だからこそ、昔より一層輝けるんだ」というメッセージを、「蛯原友里」というモデルを通じて届けたい。

そして、表紙にその想いを込めて、ここ何年かの自粛ムードが明けた今、宣言します。「いよいよこれからだよ。大人だって、もっとキラキラしていいんだよ」と。

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