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UPDATE|2023/06/21

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』に見るアメコミとインドの深い関係

(C)2023 CTMG. © & TM 2023 MARVEL. All



中国が新型コロナのパンデミック以降、マーベル作品の公開を規制していたこともあって、マーベルは中国市場を当てにできなくなり、その代わりにインド市場に流れるという現象が起きていたことも要因としてある。

またDisney+で配信中の『ミズ・マーベル』では、主人公がパキスタン系アメリカ人という設定のため、共通娯楽としてインド映画ネタが多く盛り込まれており、『Dil Bole Hadippa!』(2009)の作中曲「Hadippa」や『Hum Aapke Hain Koun..!』(1994)の「Joote De Do Paise Le Lo」といったインド映画音楽が多数使用されている。またモハン・カプールやファルハーン・アクタルといった実際のインド映画俳優たちも出演している。

インドではDisney+HotstarとしてDisney+内でオリジナル作品や既存作品も含め、大量のインド映画やドラマが視聴できることからも、急速にマーベルとインドの関係性が深まっており、今作でのスパイダーマン・インディアの活躍がさらにそれを物語っている。

インド国内の映画ランキングではマーベル作品が常連となっており、今年の3月には、ムンバイで行われた、芸術施設The Nita Mukesh Ambani Cultural Centre (NMACC)のオープニングパーティにMCU版「スパイダーマン」シリーズの主演を務めるトム・ホランドとゼンデイヤが招かれるなど、多方面からも注目が集まっており、今後もインド国内でアメコミ熱は過熱するだうろ。

もちろん『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の注目すべき点は「スパイダーマン・インディア」だけではない。

物凄い量のマニアックな小ネタが敷き詰められているのも大きな魅力といえる。例えば『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)に出演していたドナルド・グローヴァーが実写の姿のある役で再登場するのだが、原作を知っているとかなりのサプライズであることがわかるはずだ。

一度観ただけでは、ネタを拾いきれないほどの情報量MAXな映画であることからも複数回の鑑賞をおすすめしたい。

【ストーリー】
ピーター・パーカー亡きあと、スパイダーマンを継承した高校生マイルス・モラレス。マルチバースを自由に行き来できるようになった世界で、彼はともに戦ったグウェン・ステイシーと再会し、別の次元へ旅立つ。そこで出会ったのは、様々なユニバースから選び抜かれたスパイダーマンたち=スパイダーピープルだった。そしてマイルスは、かつてのスパイダーマンがみな受け入れてきた哀しき定めを知る。それは、この世界と自分の愛する人を同時には救えないということ。やがてマイルスは、それでも両方を守り抜くことを固く誓う。しかし、その決断はマルチバース全体を揺るがす史上最大の危機を招くのだった......。

【クレジット】
原題 『SPIDER-MAN: ACROSS THE SPIDER-VERSE』
監督:ホアキン・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・K・トンプソン
脚本:フィル・ロード&クリストファー・ミラー、デヴィッド・キャラハム
声優:シャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、ジェイク・ジョンソン、イッサ・レイ、ジェイソン・シュワルツマン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ルナ・ローレン・ベレス、ヨーマ・タコンヌ、オスカー・アイザックほか
日本語吹替版声優:小野賢章、悠木碧、宮野真守、関智一ほか
日本語吹替版主題歌:LiSA 「REALiZE」
オフィシャルサイト:https://www.spider-verse.jp
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6月16日(金)全国の映画館で公開

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