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UPDATE|2021/03/03

女優・田村芽実、「お願いからお誘いに変わった瞬間」コロナ禍&初クラファンで得た“気づき”

田村芽実 撮影/荻原大志

ハロー!プロジェクトのアンジュルムを2016年に卒業し、以降はTRUMPシリーズのミュージカル『マリーゴールド』で主演、『ウエスト・サイド・ストーリー』でマリア役を務めるなど、ミュージカル女優・歌手として活躍する田村芽実。

そんな田村の新たなる挑戦が、自身で企画・主催・主演するソロミュージカル『ひめ・ごと』だ。予算の問題や新型コロナウイルス感染拡大防止の影響を受け、何度も熟考を重ねた結果、クラウドファンディングという手法を採用。開始5分程度で目標金額150万円を達成し、最終的には2800万円を集めたことで話題を呼んだ。

コロナ禍、田村は何を考えソロミュージカルの始動に踏み切ったのか。その思いを聞いた。(前後編の後編)

【写真】渾身のプロジェクトへの思いを語る、女優・田村芽実

「今回の『ひめ・ごと』は当初の予算の都合上、HPを作ることもできなかったんですね。それで今回の舞台に懸ける私の意気込みとか、お金が必要になっている理由などのすべての情報をMotion Gallery(クラウドファンディング・プラットフォーム)さんのサイトに載せたんです。作品を観ようか迷っている方は、とりあえずMotion Galleryさんのサイトに書いてあることを読んでいただきたいなというのが私からの希望です」(田村芽実、以下同)

 そう語るのは女優の田村芽実。ソロミュージカル『ひめ・ごと』開催へ向けてクラウドファンディングが、目標金額1,500,000円に対して支援額28,178,000円を集めたことで大きな話題となったばかりだ。しかし田村にとってはソロでのミュージカルも初めてならば、クラウドファンディングで支援を募るのも初めてのこと。すべてを手探りで進めていく中で、様々な“気づき”があったという。

 そこで今回は、『ひめ・ごと』完成に至る経緯や田村自身の哲学に加え、クラウドファンディングやエンタメビジネスの仕組みなど、様々な疑問に田村が直接回答する。

<2月27日に配信されましたが、ライブの生中継ではなかったのはなぜでしょうか?>

「もちろん生配信も最初は考えました。だけど、これは現実的に難しいという話になったんです。理由としては、やっぱり予算の問題が一番大きい。私自身、生配信の舞台もやらせていただいたことがあったのですが、結構な確率でシステム障害や途中で止まったりするトラブルが起きてしまうようなんですね。これが実際の会場にいるんだったら、アクシデントも楽しむ余裕があるかもしれませんが、家でお菓子を食べながら観ている途中で止まったら『お金、返してよ!』という話になるかもしれない。同じ時間を共有したい、という気持ちは強くありましたが、今回は<安心して作品を見ていただける>という方を選択しました。

 今回の『ひめ・ごと』はほとんど1カメで、保険にサイドに2カメの計3カメです。編集もかなりしていますが、やっぱりライブならではの緊張感は残しておきたいので、収録は1発でした。配信での作品だと、どこまでが舞台でどこからが映画やドラマなのか、というところもありましたし、舞台ならではの“生”という醍醐味をどこかに残しておきたかったんです」

CREDIT

取材・文/小野田衛 撮影/荻原大志


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