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UPDATE|2021/02/26

『ザ・ノンフィクション』神回・プロレスラー中野たむが明かす“肩もみ”アイドル時代「地獄でした」

中野たむ 写真提供/スターダム



「もともと女優としてミュージカルの舞台に立っていたんですよ。ずっと、それを続けていくつもりだったんですけど、あるとき、当時の事務所から『今度、ウチの会社でアイドルグループをはじめることになったので、アイドルをやってくれないか』と。一度は断ったんですけど、歌って踊って、見ている人たちに夢を与えるという部分ではミュージカルに通じる部分もあるのかなって」

つまり中野たむは「業務命令」でアイドルになったのだ。中学生や高校生でアイドルの道に進むケースが多い中、そういう事情もあって、彼女は20歳を超えてからアイドル人生をスタートさせている。

彼女が所属していたグループは『カタモミ女子』。この名前に聞き覚えがある方もいるかもしれない。かつてフジテレビの『ザ・ノンフィクション』で放送され“神回”と大絶賛された『中年純情物語〜地下アイドルに恋をして〜』で描かれたのがカタモミ女子だったからだ。

秋葉原に店舗を構え、肩もみをしながらファンとコミュニケーションをとる、という独自のスタイルをとっていたカタモミ女子だったが、アイドルとしてはなかなかうまくいかなかった。

「やりがいはありましたし、肩もみをすることでファンの方の声も直接、聴くこともできて、本当にファンの方あってのアイドルなんだな、というありがたみもすごく感じました。それはいまでも変わりません。それどころかファンのみなさんがいないと生きていけないぐらいですよ!

ただ、活動していくにつれて、アイドルとしてステージに立つことよりも肩もみの比重のほうがどんどん大きくなっていって『私って“なにもの”なんだろう?』って。アイドルブームで、どんどんアイドルの数が増えていく中で、自分たちが埋もれていっていくのがわかるんですよ。ステージに立つ回数も減っていくし、アイドルとして成功する可能性も見えない。それでもリーダーを任せられて、活動は続けていかなくちゃいけない……ひとことでいえば、もう地獄でしたね」

AUTHOR

小島 和宏


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