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UPDATE|2021/02/11

女優・坂井真紀が死生観を語る「子どもができてから心境が変わった」

坂井真紀 撮影/松山勇樹 スタイリスト:梅山弘子(KiKi inc.)ヘアメイク:ナライユミ



――ちなみに、そのあたりの心境の変化というのはいつ頃からお感じでしたか?

坂井 やっぱり子どもができた、というのはすごく大きいですよね。責任ってこともそうですけど、何より「ちゃんと生きたい」という気持ちは強くなった気がします。

すべてにおいて今、目の前にあることが絶対未来にも繋がっていくわけだし、子どもは未来そのもの。私自身に何ができるかはわからないけど、こうして子どもを育てる機会をいただいた以上は、「社会に役立てる」って言ったら大げさかもしれないけど、チャンスをもらえたってことに対して、日々、喜びを感じながら生きたいな、とは思います。

――劇中には、死を前にして事前に文書で意思表示をしておく「リビングウィル」といったワードも出てきます。こんなことを聞くのも何ですが、坂井さんだったらどのような選択を?

坂井 どうだろうなぁ。もし、もうちょっと子どものために生きなければと思ったら、「病気と闘うぞ」って気持ちになりますし、十分生きさせてもらったなぁって思えていたら、そのときは「延命治療は要らないです」って選択になるんじゃないかな、と。

子どもとはまだそこまでリアルな話はしてませんが、こうして生まれてきたことの尊さや命の大切さについては、一緒に話すようにしています。喧嘩をしたりしたときも早く仲直りを心がけますし(笑)、特に学校へ送り出す時は絶対に笑顔でいたいですよね。(取材・文/鈴木長月)

▽さかい まき
1970年5月17日生まれ、東京都出身。映画『痛くない死に方』、『はるヲうるひと』(2021年6月全国公開)、『燃えよ剣』(2021年10月公開)などに出演。


▽映画『痛くない死に方』
2021年2月20日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開
出演・柄本佑 坂井真紀 余貴美子 大谷直子 宇崎竜童 奥田瑛二
監督・脚本:高橋伴明

あらすじ
在宅医療に従事する河田仁(柄本佑)は、日々仕事に追われる毎日で、家庭崩壊の危機に陥っている。そんな時、末期の肺がん患者である大貫敏夫(下元史朗)に出会う。敏夫の娘の智美(坂井真紀)の意向で痛みを伴いながらも延命治療を続ける入院ではなく“痛くない在宅医”を選択したとのこと。しかし、河田は電話での対応に終始してしまい、結局、敏夫は苦しみ続けてそのまま死んでしまう。「痛くない在宅医」を選んだはずなのに、結局「痛い在宅医」になってしまった……河田は、先輩在宅医・長野(奥田瑛二)の元で在宅医としての治療現場を見学させてもらい、在宅医としてあるべき姿を模索することにする。2年後、末期の肝臓がん患者である本多彰(宇崎竜童)を担当することになった河田は、果たして、「痛くない死に方」を実践できるのか…。

(c)「痛くない死に方」製作委員会

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