豆柴の大群は人気バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の企画内で誕生したグループだ。稀代のヒール、安田大サーカス・クロちゃんの存在もあって瞬く間にその名は全国区となったものの、番組に出なくなってからの動向については熱心なファン以外にさほど知られていないはずだ。コロナ禍においてライブ活動がままならないなど苦労も絶えなかったというが、それでも5人は着実に腕を磨いていた。知られざる“番組後”の姿に迫る──!!
(4回連載の1回目)
【写真】ビジュアルもグッと洗練されてきた豆柴の大群、メンバーのソロ撮り下ろしカット【13点】■「絶対に見返してやる」デビュー後の『挫折』 地上波の人気番組で大々的に取り上げられたことは、新人グループとしてこれ以上ないほど恵まれたこと。しかし5人にとって、その反動は決して小さくなかった。 “舞台裏の苦闘”を今だから明かす。ナオ デビューした瞬間にコロナが日本を襲ったので、そこからライブができなくなったんです。正直、これが一番つらかったですね。
ミユキ 予定されていたライブもどんどん中止や延期になるし、やれたとしても無観客ということが多くて。お客さんが目の前にいないと、リアクションがないわけだから、自分たちに自信が持てないんです。常に「これでいいのかな?」って探り探りステージに立っている感じで。
ハナエ うん、私たちって圧倒的に場数が足りていない。そこはすごく残念ですね。コロナが原因だから仕方ないところではあるけど……。
ミユキ そりゃ「消えた」とも言われるよね(苦笑)。特に『水ダウ』を観ていた、いわゆるライト層と呼ばれる人たちは辛辣でした。
アイカ TikTokでは「オワコンの大群」とか書かれていたんです。まだ結成したばかりで、メジャーデビュー前の時期なのにオワコンって……。すごく悔しかったし、絶対に見返してやると思いました。
ミユキ それはある! 最初はエゴサしてディスっている書き込みを見つけるたびに、シュンと落ち込んでいたんですよ。だけど途中からは「今に見てろよ……!」ってパワーに変えられるようになりました。
──テレビの力でいきなり注目されたはいいけど、実はバッシングもすさまじかったわけですね。ナオ 当然、覚悟の上ではあったんですけどね。放送終了後、「消えた」って言われるのも予想していたことでしたし。『水ダウ』ではクロちゃんが嫌われ役だったから、私たちに対しては「かわいそう」「頑張ってほしい」という同情票が多かったんです。ある意味、クロちゃんが盾になってくれていたというか。その構図がなくなると、今度は一気に私たちが嫌われ者になった(笑)。
ハナエ 番組では最後に「クロちゃんをプロデューサーとして残すか?」とCD売上でジャッジすることになったじゃないですか。その結果、クロちゃんはプロデューサー解任になったんですけど。でも、そうなったらなったで「クロちゃんを戻せ」という声もすごく大きくて(苦笑)。
アイカ そのくせMVにクロちゃんが映っていると、「まだクロちゃんに頼らなくちゃ何もできないのかよ」ってバカにしてくるんです。もう何をやってもダメ(笑)。
カエデ でも前向きに考えると、それだけ私たちのことを知ってくれているのはありがたいことだなって思います。私は以前、ナオと一緒に地元でアイドル活動をしていたことがあるんですよ。そのときはエゴサしても自分の名前なんて1日1個見つけられたらいいほう。今は新人グループなのにここまで注目されているわけだから、そこは本当に恵まれているなって感謝しています。
ハナエ 大人だなぁ(笑)。
カエデ 最初のうちは叩かれすぎて感情もなくなったけどね。徐々に「オワコン」ってツイートを見かけるたびに「ありがとう」って気持ちが湧くようになりました(笑)。