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UPDATE|2021/01/09

所属事務所社長が語る、えなことの出会い「契約書を確認せずに判子を押そうとして…」

撮影/佐賀章広


――そもそも、えなこさんとの出会いについてうかがえればと。

よきゅーん 2011年に30歳を迎え「腐男塾(現:風男塾)」を卒業した後、ここから先は事業に挑戦してみようと思い、念願だったメイド喫茶の運営を始めたんです。そんな時に、ある日、知り合いがえなこを連れてきてくれて、私が預かることになったんです。初対面は秋葉原のマクドナルド。そこで契約書を渡したんですけど、えなこは一切内容も確認せずに判子を押そうとしまして。もう、慌てて確認しましたよ(笑)。「大丈夫? 読んだ!?」って。あの日から4年、本当に息つく暇もなくトントン拍子で駆け抜けてきたという感じです。

――今ではえなこさんを筆頭に様々なコスプレイヤーさんがPPEに所属しています。芸能の世界でコスプレイヤーをメインでマネジメントする会社を経営されているのは、珍しいですよね。

よきゅーん そもそも事務所を立ち上げようと思っていたわけではなく、全てメイド喫茶からの繋がりなんです。16年にえなこが来たタイミングで、業界で「コスプレイヤーを起用したい」という企業さんが多くなり、私が長年ガンホーさんで『ラグナロク・オンライン』というゲームのイメージガールをやってきた事もあり、企業さんからキャスティングのお手伝いをしてほしいという依頼をいただいたんです。当時のコスプレ業界って、仕事の依頼を受けたのに、いざ当日になると現場に来ないというパターンも多くて。

――以前、コスプレイヤーで社長業もされている火将ロシエルさんも「気分次第で遅刻したり、現場に来ないレイヤーが多い」と同様の悩みを答えていました。

よきゅーん やはり(笑)。今日はコンディションが悪いからと現場に来ず、カメラマンさんを泣かせる光景を結構見てきて。失礼な言い方かもしれませんが、やはりプロではないんですよね。そうした時に私に、「ちゃんとイメージキャラクター業務を全うしてくれる子をアサインしてほしい」という代理業務をいただいき、えなこを色んな企業案件にあてられるようになっていったんです。そこから長い付き合いの友人・吉田山(吉田早希)が30代を超えてこれから先のことを考えていたタイミングだったので、うちなら空いてるよ~って、言ってのらりくらり加わり(笑)。昨年には現場で一緒になるたびに「良い子だなぁ」と思っていたさきみー(宮本彩希)やつんこ、とにかくお顔が大好きな篠崎こころちゃん……と、私がこれまで出会ってきた人たちが自然に集まってきたという感じなんです。

――事業拡大してやろう、というよりは、成り行きで今の規模になった感じですね。

よきゅーん 本当にその通り。ラッキーでしたね。ただ、仕事仲間として受け入れただけでなく、私としてはみんなを“扶養する”という気持ちをもって受け入れています。事務所ってひょっとしたら生活の面倒を見る義理はなく、タレントには売り上げを出してもらうのが第一と考えるものなのかもしれません。けど、プレイヤー側だった私としては、女の子たちが生活できずに不安な気持ちになるのは重々承知していて。そういう子たちをケアできるような環境は整えてあげたいなと思っているんです。経営的な大人のジャッジよりも、その子の心情や成長、最終的にこの子たちが「幸せ」と思ってもらうのが最優先なんです。

※インタビュー<2>えなこ所属事務所社長・よきゅーんさんに聞く芸能界とコスプレ界「頑張れば売れるということを教えたい」はこちらから。
AUTHOR

田口 俊輔


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