――二人で試行錯誤しながら。
大場 最初はお互いに距離もあって、大人としての礼儀を持ちながらやるんですけど、何日かやっていると、だんだん踏み込まなきゃいけなくなってくるんですね。ところが3日目、天気予報が唯一晴れで、いろいろ撮影したい日に二人の呼吸が合わなくて(苦笑)。
――といいますと?
大場 お互いにやるべきことがいっぱいあって、感情が追いつかないというか。相手のちょっとした仕草が気になったり、疲れ切ってご飯のときも会話がなくなって……。
――同棲しはじめのカップルみたいですね(笑)。
大場 確かにそうなのかもしれません(笑)。それで、その日、寝る前にこのままじゃ作品的に中途半端で終わってしまうかもと思って話をしました。カメラマンさんもそのズレを分かっていたから、二人で深く話し合ったんです。そうしたら、次の日、これまでにないくらい呼吸があって、すごくいい撮影ができたんです。
――よかったですね。
大場 嫌な気持ちもちゃんとぶつけたから、ナチュラルな撮影ができたんだと思います。距離が縮まらないままだったら、違う写真集になっていたかもしれない。最後は終わった時は、二人で抱き合いましたもん(笑)。
――その5日間の裏側をドキュメンタリーとしても見たいです。
大場 最初はもっと軽く考えていたんです。楽しいだろうなって。でも、5日間生活しながら、ただしゃべったり、歩いたり、靴下を脱いだりしている時も、常にシャッターを切られているから、オンオフの切り替えがなくなって。きっと二度とない貴重な経験だったと思います。
――これまでにない、いろんな大場さんが見られる写真集になっていそうですね。