あくまでも劇場公演やコンサートが再開される日を見越しての努力。彼女が家で筋トレをはじめた時点では、これからの予定はまったくの白紙だったのだが、あくまでも前向きに毎日を送ってきた、という。
「基本、ポジティブなんですよ、私。ポジティブに考えたら、自粛期間もある意味、自分のためになった有意義な期間だったのかなって思います」
大人たちが、というか、もう世界中がどうしていいのかわからずにあたふたしていた時期があったことを思えば、なんとも冷静すぎる考え方! しかし、たしかに焦っても状況が変わるわけではないし、渡部愛加里の言動はじつに正しいスタンスである。
昨年4月、横浜スタジアムでの指原莉乃卒業コンサートを前に話を聞いたら「小5のとき、私がはじめて48グループのコンサートに行ったのが、横浜スタジアムでのたかみな(高橋みなみ)さんの卒業コンサートだったんです。そこで『私の目指すところはここだ!』って(48グループに入る)気持ちが固まりました。まさか、その会場のステージに立つことができるなんて! なんか運命を感じてしまいます」と満面の笑顔で語ってくれた。
「客席から見ているよりも、さらに大きな会場だなって感じました。ただ、さっしーさんはまだステージにいるし、あの日はまだ卒業してしまうっていう実感はなかったんですよ。それはしばらく続きましたね。お仕事をしていく中で『あっ、今日もさっしーさんがいない』と気づくことが何度も何度もあって、やっと現実のものとして受け入れられました」