「いまもそうですけど、私は公演やコンサートが楽しくて仕方がないから笑っちゃっているだけなんですけどね、エヘヘヘ」
屈託のない笑顔を浮かべる松岡はなだが、今年の上半期は笑えない日々を送っていた。
「私、今年で20歳なんですよ。2020年で20歳。よーし、今年はがんばるぞーっ!と思っていたところにコロナショックが来て、なんにもできなくなってしまった。
そんなに焦りはなかったですね。私だけがこういう思いをしているんじゃなくて、世界中がそうだったわけじゃないですか? 自分ひとりだったら、さすがにしょんぼりしていたと思いますけど、みんなそうだからしょうがないなって。もう『これも人生だ』って。
それでもしばらくしたら『私は今、なにをしているんだろう』って気持ちになっちゃいましたね」
20歳の社会人、職業はアイドル。
しかし、歌うことも踊ることもできない日々だけが過ぎていく。
たしかに「なにをしているんだろう」という気持ちになっても仕方がない。
「もう公演がしたくて体がうずうずしはじめたんですよ。やっぱり劇場公演って楽しいんですよね、すごく。どうすることもできないので家で踊ったりしてましたね、アハハハ!
あとは同期の存在が大きかったです。私、ひとり暮らしだし、実家に帰れなかったから、寂しかったんですけど、同期(村川緋杏・今村麻莉愛)とテレビ電話で話しながら『みんなで会えるようなったら、なにをしようか?』って、もう自分たちで楽しみなことを作るようにしてました。ふたりとも優しいし、本当になんでも言い合える存在なので助かりましたね」
体がうずうずするほど楽しみにしていた劇場公演がいよいよ戻ってくる。
いずれはコンサートも開催されるようになるだろうが、そこで松岡はなに注目してもらいたいことがある。
昨年までコンサートで「2階席、盛りあがってるか!」「上のほうもステージから見えてますよー!」と煽り、場内を一体化させるのは指原莉乃の役割だった。