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UPDATE|2020/04/07

新井ひとみ インタビュー(1)「私にしかできない『少女A』の表現を追求している」

新井ひとみ 撮影/松山勇樹

昨年から「80年代風アイドル」をコンセプトに、別人格のソロプロジェクトを開始した東京女子流の新井ひとみ。まるで80年代からタイムスリップしてきたかのような衣装とヘアセットで、新たなファン層を獲得している。3月25日(水)に発売された新曲『少女A』についてと、ソロと東京女子流の違いなどを語ってもらった。(2回連載の1回目)


──ソロセカンドシングルに中森明菜さんの『少女A』(82年発表)を選んだ理由は何ですか?

新井 デビューシングルで、太田貴子さんの『デリケートに好きして』(アニメ『魔法の天使クリィミーマミ』のオープニングソング。83年発表)のカバーを発売させていただいてから、80年代のアイドル楽曲を聴くことが増えたんです。それで次のシングルはどうしようと考えていたときに、ライブでは、うしろゆびさされ組さんの『渚の『・・・・・・』』(86年発表)をカバーさせていただいていて。どちらも明るくて、楽しくて、みんなで掛け合いのできる曲なので、次は路線を変えて意外性を出そうと。それでギャップを感じてほしいなと思っていたときに、中森明菜さんの『少女A』を聴いたら、今まで歌っていた2曲とはガラリと変わって、低音を聴かせる歌だなと。もともと私は低音の楽曲が好きですし、自分から「歌いたいです!」とスタッフの方に提案しました。

──中森明菜さんには数多くのヒット曲がありますが、その中で『少女A』を選曲した理由は?

新井 当時17歳で『少女A』を歌っていた頃の中森明菜さんの歌声だったり、表情だったりが魅力的だったんですよね。中森明菜さんとは違った形で、今の新井ひとみで『少女A』を表現したらどうなるのかなと思って選びました。

──具体的に新井さんなりの表現方法とはどのようなものでしょうか?

新井 私にしかできないことって何だろうなと考えたときに、ライブでできるだけ息継ぎをしないようにしようと思いました。歌うだけなら難しいことではないんですけど、ライブでは動きもあるので、後半はきつくなるんです。そうやって自分を追い込むことで、切迫感を出して歌っています。だから1番と2番の間奏では、後ろを向いて休んでから、「じゃあ2番行こう!」って感じでやってます(笑)。あとは歌い出しなど、歌詞のポイントを力強く歌って、目線や手の動きも強めにするように意識しています。さらに曲が終わった後は、一転してアイドルらしい自己紹介をしてギャップを付けるようにしています。

──かなり細かく自己プロデュースしているんですね。前から自分の意見は言える方だったんですか?

新井 ソロでやらせていただくようになって、経験や考えも豊富になって、言えることが増えてきたのかなと思います。

──当時の中森明菜さんの映像もチェックしたんですか?

新井 『ザ・ベストテン』(TBS系)や『ザ・トップテン』(日本テレビ系)などの映像をいくつも観させていただいたんですけど、毎回セットが豪華で演出も違うから楽しいんですよね。私もライブでは毎回違う楽しさを表現してみたいなと思いました。中森明菜さんに負けないようなカッコ良いパフォーマンスをしたいという刺激も受けましたね。

──中森明菜さんのどこに他のアイドルと違う魅力を感じますか?

新井 どこから声を出しているんだろうと疑問に思うぐらいの、力強くて鋭い歌声ですね。あとパフォーマンス中はキメキメなんですけど、曲が終わると「うふふ」って年相応の幼さもあって、そのギャップが可愛いです。

CREDIT

取材・文/猪口貴裕 撮影/松山勇樹


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