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UPDATE|2020/03/08

20年という歴史の重みの中で… 新たなモーニング娘。を創る少女たちの苦悩

モーニング娘。年代記 第21回



安倍なつみや後藤真希が大活躍した黄金期は当然、彼女たちが物心つく前の出来事である。また高橋愛が牽引するプラチナ期が始まったときも、12期最年少の羽賀朱音はまだ5歳という幼さだ。

さらに彼女たちが義務教育へと進み、モーニング娘。のリーダーが道重さゆみに変わった頃も、世間一般的にはAKB48ブームの真っ只中である。家族やクラスメートが既存ファンじゃない限り、普通の小中学生の関心とモーニング娘。が結びつくまでには、それこそ後の再ブレイクまで、時間の針が進むのをじっくり待たなければならなかったのだ。

そして黄金期もプラチナ期も知らない少女たちが、縁あってモーニング娘。オーディションの合格通知をついに受け取った頃。喜びの先に待っていたのは映像でしか観られないグループの歴史と、もう想像でしか感じ取ることのできないグループが歩んできた時代の重みであった。

「私たちは新人だけど、20年の歴史に見合った姿やパフォーマンスをお見せしなくてはいけない。その部分でのプレッシャーは強いです」(加賀楓)(※2)

「あまりにも偉大だから歴史は崩したくない思いと、それを支えられる自分かどうかということ、(中略)いろんな思いで心配しかない」(横山玲奈)(※3)

しかし歴史を知らずとも、時代の道標を失っても、夜空の向こうに次の朝は必ず訪れていく。2016年12月時点のモーニング娘。は計13人。年が明ければ卒業生27人分の思いとともに、グループにとって結成20周年の記念イヤーが始まる。



※1『「ハロプロ スッペシャ~ル」~ハロー!プロジェクト×CDジャーナルの全インタビューを集めちゃいました!~』(音楽出版社)
※2『Top Yell+ ハロプロ総集編 Hello!Project 2011~2018』(竹書房)
※3『アップトゥボーイ』2017年10月号(ワニブックス)
AUTHOR

乗田 綾子


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