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UPDATE|2020/03/03

里崎智也が語る「プロ野球選手が早婚なワケ」

撮影/門嶋淳矢

現役時代、千葉ロッテマリーンズの正捕手として活躍した里崎智也氏。引退後は野球解説者として人気を博す同氏のYouTubeチャンネル「里崎チャンネル」が話題だ。「契約更改の裏側」や「セ・パの野球観の違い」など、誰もが知りたいテーマについて歯に衣着せず語るその姿勢が受け、チャンネル登録者数は22万人を超えた。



このほど、その「里崎チャンネル」をまとめた著書『プロ野球 里崎白書』(扶桑社)が発売されるのに合わせて、里崎氏に「野球選手の生活力」と「野球選手が早婚なワケ」を聞いた。(2回連載の2回目)

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野球選手は結婚するのが早い。みなさんにも、そんなイメージがありますよね?

厚生労働省の統計(※)によれば、男性の平均初婚年齢は31.1歳とのこと。現役晩年まで独身だったぼくみたいなのもいますけど、多くの選手が20代前半で所帯をもつ野球界はやはり、総じて早婚ではあるようです。

ではなぜ、野球選手は若くして身を固めることを選ぶのでしょう。

その大きな理由のひとつが、野球選手には「野球以外、自分では何もできない」人が多いから。もちろんぼくも、全員がそうだとは言いません。でもそういう人は、みなさんの想像よりもはるかに多い。そもそも、現役でいる間はグラウンド外のあらゆることを他人任せにできてしまうのが、プロ野球でもあるのです。

たとえば、移動のときに使う新幹線のチケット。マリーンズの場合、移動日が仮に月曜だとしたら、日曜のデーゲームが終わる頃になると、「翌日の最終便」で取ってある指定席のチケットが、各自のロッカーに一枚ずつ置かれます。帰りのぶんが配られるのも、移動日前日のビジター球場のロッカー。途中でなくすと困るからと、必要になるタイミングまでマネージャーが保管してくれているんですね。

飛行機の場合は、「〇番搭乗口の前の時計の下に〇時までに集合して」と言われてそこに行くと、その場でチケットがもらえる仕組み。新幹線の時間を変更したいときなんかはその都度、自分で窓口に行く必要がありましたけど、「自分で買う」という行為自体はふだんからまず必要ない。なので、目的地までの運賃がいくらなのか、どうしたらそれが買えるのかを、まったく知らない人も実は少なくないのです。

ぼくも、現役時代は「東京-新大阪間の新幹線の運賃はいくら?」と聞かれても答えられなかったクチ。実家が四国の徳島なので、学生のときから帰省はもっぱら飛行機。プライベートで新幹線を利用する機会がほとんどなかったんですね。

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