──今は新しい人生を歩んでいるわけですが、過去を振り返ることってないですか?
伊藤 あります。それは名残惜しさからくるものではなく、いい思い出だから振り返るんです。でも、今の自分のほうが人間らしく生活しているなって思います。自分で働いて、自分で何かを提案しているから。乃木坂46時代は自分で考えなくてもお仕事は回る環境でした。でも、その時代があるから今の自分があるので、ありがたかったですね。
──卒業生と会うことはありますか?
伊藤 展覧会の制作で忙しかったので最近はあまりないけど、私の出ている舞台を卒業生が観に来てくれることはあります。あっ、(衛藤)美彩の結婚式でみんなと会いました。誘ってくれて本当に助かりました。展覧会の制作時期で頭がパンクしそうだった時に、メンバーの幸せな顔を見ることができたので。
──同期の結婚式ってどんな感覚になるんですか?
伊藤 初めて結婚式に行ったんです。何を着ればいいかもわからず、めっちゃ検索しました(笑)。報告を受けた時はめっちゃ嬉しかったです。同期のことは素直に喜べるので、次に誰かが結婚する時にも素直に祝福したいです。
──そんな口ぶりだと、自分はまだまだ先っていう感じですかね。
伊藤 まだまだ先かもしれないし、意外と早いかもしれないし。
──ホントですか⁉
伊藤 嘘です(笑)。しばらくは自分のことで必死になっているでしょうね。
──卒業から時間が経って振り返ってみると、改めて卒業ってどういうものだと思いますか?
伊藤 私は6年も続けられるとは思っていませんでした。自分としてはよく続いたな、頑張ったなと思っているんですけど、惜しんでくれる人もいらっしゃる。だから、卒業というものが成り立つんでしょうね。私は「脳内博覧会」ができたから、やりきった気持ちで活動を終えられました。私にとっての卒業制作であり、卒業コンサートのようなものでしたから。もっといえば、東京ドームのライブでひめたん(中元日芽香)と一緒に送り出してもらえたこともとても大きかったです。そのふたつがあったから、いい形で卒業することができました。