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UPDATE|2019/12/29

「新国立競技場の景色が見たい」と語った百田夏菜子の想いと、ももクロの“新たなる旅路”

左から佐々木彩夏、玉井詩織、百田夏菜子、高城れに

24日(火)と25日(水)にさいたまスーパーアリーナで「ももいろクリスマス2019~冬空のミラーボール~」を開催したももいろクローバーZ。25日のコンサートでは百田夏菜子が「新国立競技場の景色が見たい」と語った。2014年に旧・国立競技場でコンサートを開催した彼女たちが、新国立へかける想いとは。ももクロ公式記者・小島和宏氏に特別寄稿してもらった。



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12月25日。

さいたまスーパーアリーナで開催された「ももいろクリスマス2019~冬空のミラーボール~」のエンディングで、百田夏菜子は「新国立競技場の景色が見たい」と口にした。

例年であれば、コンサートのどこかで“南国ピーナッツ”こと松崎しげるが登場し、名曲『愛のメモリー』に乗せて、次なるビッグイベントの告知をするのが恒例行事となっており、この日もアンコールを終えて、バンドメンバーたちもステージを降り、4人だけになった瞬間こそがそのタイミングだと多くの観客が思っていたようだが、結局、松崎しげるは現れず、夏菜子が自分から次なる夢を語りだした。

すでにネットニュースなどで話題になっているので、このことを知っている方は多いと思うが、百田夏菜子は声高らかに宣言したわけではない。むしろ、控えめに「いつかみんなと一緒に立てたらいいなぁ~、なんて」と口にしたあと「いや、立てたらいいなじゃダメですね」と、まるで自分に言い聞かせるように語り、最後の最後に「またみんなで国立競技場に立てるようにがんばります!」と宣言し、「その姿をみんなにも見てもらいたい」とメンバーだけではなく、ファンと一緒に新たな夢に向かって進んでいくことを超満員の観客に示してくれた。

そう、これはももクロを中心としたスタッフや観客を含めたTDF(TEAM DIAMOND FOUR)全員で見る夢、なのだ!

オープニングの「PRIDEのテーマ」と、松崎しげるのサプライズ発表という二つの「恒例」が消えたももクリの新風景は、彼女たちが新たな歴史を刻みはじめるということを象徴しているようだった。

ステージ上で話しているときの夏菜子の様子から、この言葉をかなりの覚悟を持って口にしたことを観客は察知したし、だからこそ涙を流して受け止めるモノノフの姿もたくさん見かけた。そして、とても完成度が高かったこの日のパフォーマンスが、いつかやってくる新国立競技場へとつながるものだと気づき、またウルっときた。
AUTHOR

小島 和宏


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