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UPDATE|2019/12/31

『OVERTURE』アイドルAWARD「2019年、アイドル界の鍵を握ったメンバー」

『OVERTURE』021号(徳間書店)より 左がももいろクローバーZの表紙、右が上坂すみれの裏表紙

現在発売中のファッション×アイドルマガジン『OVERTURE』021号に、日々アイドルを取材する記者たちが2019年を振り返る「2019年アイドルAWARD」が掲載されている。


ももいろクローバーZが表紙を飾る『OVERTURE』021号では、2019年のアイドル界を総括するべく「2019年アイドルAWARD」が掲載されている。

まず「2019年自分的AWARD」として、松岡はな(HKT48)/齊藤なぎさ(=LOVE)/甲斐心愛(STU48)/前田こころ(BEYOOOOONDS)/生牡蠣いもこ(神使轟く、激情の如く。)の5名がそれぞれの1年を振り返る。そのほか、「46AWARD」では“乃木坂46 次世代ドジっ子大賞”、“欅坂46 絶叫大賞”、“日向坂46 ベストタッグ決定戦”として坂道グループを総括。「Juice=Juice AWARD」“7大ニュース”「AKB48グループAWARD」“グッときたシーン”、“独断セレクト・メンバーMVP”なども掲載されている。

今回は「2019年、アイドル界の鍵を握ったメンバー」として掲載されているコラムの一部を掲載する。

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1年のアイドルシーンを振り返ることの何割かは、その年卒業・脱退したアイドルたちを思い返すことだったりする。改めて2019年にステージを去った女の子たちを思うと、特にその存在の大きさを考えざるを得ないのが、夢眠ねむ(元でんぱ組.inc)とあの(元ゆるめるモ!)だ。

卒業発表と同時に卒業公演までのロードマップを明かし、ソロアルバムの発売など「アイドル・夢眠ねむ」のエンディングを盛り上げに盛り上げて、卒業後には下北沢に書店をオープンした夢眠ねむ。片や、ある日突然卒業ライブもないままに発表即脱退したあの。お互いに「らしい」アイドルの締めくくりだった。

2人に共通するのは、「ねむきゅんになりたい」「あのちゃんになりたい」と思わせるフォロワーが多いアイドルだったこと。秋葉原を疾走する最先端のライブアイドルでありながら、美大生である自身のコンセプチュアルな表現活動でもあった夢眠ねむ。もともと引きこもりだったが、ゆるめるモ!と出会い、秘められていたカオティックなパワーをステージで爆発させたあの。タイプは違えど、アイドル以前の物語も含めて強い共感を呼んだ。

「アイドルへの憧れ」といってもさまざまなものがある。欅坂46の平手友梨奈やBiSHのアイナ・ジ・エンドももちろん女の子の憧れの対象ではあるけれど、「彼女みたいになりたい」というよりそのカリスマ性に惹かれる人が多いのではないか。一方、夢眠ねむやあのは、ファンの女の子に「わたしもああなりたい」と思わせるタイプのアイドルだった。

いまやでんぱ組.incは「メジャー」アイドルではあるけれど、秋葉原から始まった彼女たちが一歩一歩築いてきた道のりはライブアイドルならではのもの。ゆるめるモ!もあのが入った当初は、ワンマンに向けて街中でチラシを配るような活動が当たり前だった。

女の子に「この人になりたい」と憧れられるアイドルがいないと、ライブアイドルは増えない。大手事務所ならばスカウトや、所属しているモデルやグラドルから転向という形でアイドルを生み出すこともできる。ただライブアイドルは自ら応募する子がいないと始まらない。それだけにねむきゅん・あのちゃんという2人がアイドルを辞めたことはとても大きい。今、2人に変わる新しい「憧れのアイドル」が求められているのだ。


▽『OVERTURE』021
発売日:12月24日(火)
定価:1100円(税込)
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CREDIT

文/大坪ケムタ


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