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UPDATE|2019/12/07

強くて可愛いキックボクサー・ぱんちゃん璃奈、引きこもりだった少女が生き甲斐を見つけるまで【写真27点】

ぱんちゃん璃奈 撮影/丸山剛史


──東京の芸能界で一旗揚げようということですか。

璃奈 いや、「絶対に女優になってやる!」とか、そういうやる気溢れる感じでもなかったです。元気が出たから何かやりたかったんですけど、大阪だと知り合いも多いので劣等感にさいなまれるんですよ。みんな、その頃は大学に行ったりしていましたからね。誰も私のことを知らない場所で、もう一度ゼロから頑張ってみたかったんです。

──なるほど。東京に出てきてからは?

璃奈 とりあえず私は身体を動かさないと元気になれない人なので、引っ越ししてすぐにバク転教室に通い始めたんです。

──バク転教室?

璃奈 あるんですよ、そういうものが。だけど、バク転の世界は世界で厳しいんですよね。練習ですごくケガするんです。手首や足首をすぐ捻挫しちゃう。東京に出てきたばかりの頃の私はバク転しかやることがなかったから、週6ペースで通っていましたけどね。教室も2つ掛け持ちしていましたし。コールセンターのバイトをしながら、毎日クルクル回っていました。

──そこから、どうやってキックボクシングに繋がるんですか?

璃奈 そのバク転教室では、殺陣やアクションも教えてくれたんです。そこでキックやボクシングに初めて触れ、あまりの楽しさにビックリしました。なので、すぐにキックボクシングのジムを探すことにしたんです。最初は六本木のエクササイズ系ジムに行ってみたんですけど、これがめちゃくちゃ面白かったんですよ。いきなりマススパーをやったんですけどね。あまりにも面白いから、できれば毎日通いたい。毎日通うなら、近所のほうがいい。それで一番近くにあったキックボクシングのジムが、今所属しているSTRUGGLEなんです。

──それまでは格闘技に興味もなかったわけですよね?

璃奈 はい、まったく知らなかったです。試合も一切観たことなかったですし。もちろんルールなんてわかるわけない。

──それなのになぜキックボクシングにそこまでハマったんでしょうか?

璃奈 単純に身体を動かすことが好きということにプラスして、強くなることができる。そこだと思うんですよね。ひょっとしたら男性にも勝てるかもしれないって考えたら、ワクワクしてきました。思えば小学生の頃から強さに対する憧れは強かった気がします。『ドラゴンボール』が好きだったし、お兄ちゃんにケンカで勝てないとすごく悔しかったですし。強さって自信に繋がるじゃないですか。学生時代、私は足が一番速いということで自信を持てたし、それでなんとか生きていくことができた。強さを手に入れたら、自信を持って人生を送れる気がしたんです。

──そういうものですか。

璃奈 点数やタイムを争う他の競技と違い、キックって殴られたり蹴られたりするから痛いんです。自分が弱いと、自分がやられて、自分が痛くなって、自分が負ける。この単純さが好きなんでしょうね。私だって殴られたくないし、痛いのは嫌。だから必死になりますよ。
ぱんちゃん
AUTHOR

小野田 衛


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