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UPDATE|2019/12/01

グッズの梱包も本人、話題のセルフプロデュースアイドル 加納エミリに聞くフリーならではの苦労

撮影/松山勇樹


──ちなみに今バイトなどはしているんですか?

加納 月に1回ぐらいしかできてないです。

──むしろ月1で許してくれる職場があるんですか。

加納 昔からお世話になっているところで、こういうお仕事をしていることも理解してくれているので融通がきくんです。本当はもうちょっとシフトを増やしたいんですけど、音楽活動を優先にしたいから、月1が限界ですね。

──でも月1程度のバイトでやっていけるのはすごいことですよ。

加納 今年の春先から徐々にシフトを減らしていったんですけど、その時は月に10本程度ライブを入れていたから、ライブの収入だけで生活できたんですよ。今はライブの本数を減らしているのと、アルバム制作もあって貯金を切り崩している状態です。今回のアルバムは全国流通で、原盤権も自分で持っていますけど、まとまった売り上げが入ってくるのは先ですからね。

──そもそも、どうしてフリーで活動しようと思ったんですか。

加納 もともと大手レコード会社と育成契約をしていたんですけど、そことの契約が切れたんです。違うレコード会社に所属したい気持ちもあったんですけど、探すのにも時間がかかるし、私はものすごく年齢が若い訳でもないから、とりあえずフリーで活動してみようと思ってフリーになりました。

──周りで先にフリーで活動している先輩はいたんですか?

加納 1人もいなかったですし。なので最初は自分が出たいイベントや、対バンしたいアイドルさんとの接点が全くなくて苦労しました。何の実績もパイプもなかったので、最初はライブハウスにメールで音源を送って、チケットノルマを課せられた上でライブに出てました。そのうち何かで私のことを知ってくれた地下アイドルイベントを主催する方が連絡をくれて、そのイベントに出たりしたんですけど何の反応もない状態が続きました。

──そういう状況から抜け出すきっかけはあったんですか?

加納 昨年の12月28日にCHELSEA HOTELで開催されたイベント「『涙』第14回」に、星野みちるさん、脇田もなりさん、スカートの澤部渡さんたちと一緒になぜか出させて頂いて、そこから少しずつ道が開けていきました。ソロ活動を始めたのが昨年5月の初めだったので、半年以上はかかりましたね。

──事務所などの力を借りずに1人でやったと考えると早いと思いますけどね。

加納 客観的に見るとそうなのかもしれないですけど、自分的には実感がないんですよね。ただ、それから徐々にメディアで取り上げて頂くことも増えましたので、ありがたいです。
AUTHOR

猪口 貴裕


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