圧倒的な演技力で話題のドラマに次々と出演中の女優・松本まりか。今クールでも月9ドラマ『シャーロック』(フジテレビ)や『死役所』(テレビ東京)での演技が話題を呼んでいる。そんな松本が8日(金)に実に15年ぶりとなる写真集『月刊松本まりか・汀 写真 ND CHOW』(小学館)を発売した。「本当の自分と向かい合って挑めた自信作」と語る写真集について松本自身に聞いた。
* * *
──『月刊松本まりか・汀 写真 ND CHOW』は、松本さんにとって15年ぶりの写真集ということですが、どうしてオファーを受けようと思ったんですか?
松本 最初はお断りしたんです。私の写真集なんて滅相もないというか、自分に写真で見せるものなんてあるのだろうか、需要があるのだろうかという気持ちもありましたし、いい写真が撮れる想像もつかなかったんです。
──かなりネガティブに捉えていたんですね。
松本 自分の見た目にコンプレックスもありましたし、今まで写真に撮られる機会も少なかったので何が写るのか、何も写らないのかが怖かったんです。自分が被写体として写真に残ることの恥ずかしさ、抵抗感がものすごくありました。
──映像に撮られる感覚とは違うんですか?
松本 そもそもずっと映像も抵抗があったんです。頻繁にドラマや映画に出始めたのも最近のことですし、舞台だと伸び伸びとできるんですけど、映像には向かないんじゃないかって思っていました。私は2000年に『六番目の小夜子』でデビューして、このドラマはやり切れた、という数少ない達成感があったんです。ところが徐々に自分の容姿や能力に自信がなくなっていって、あまり映像の仕事がない時代が十数年続いて。映像をやりたいって憧れもあったんですけど、そういう気持ちを持っていたからこそ、邦画や日本のドラマは観られなかった時期が長く続いて……。ちゃんと観るようになったのは最近です。
──同世代で活躍する役者さんを観るのが辛かったということですか?
松本 そうですね。映像は自分の主戦場じゃないって逃げていた部分もあったし、同世代の子たちが活躍しているのを知らないほうが幸せなのかなと。映像に対する憧れ半分、自分なんて……って気持ちが半分。写真集は「自分なんて……」の最たるもので、いわば映画やドラマは自分じゃない何かを演じているからまだいいんですけど、写真集のように素の自分で勝負することが想像できなかったんです。自分が一番見たくないパンドラの匣というか。