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UPDATE|2019/09/09

ラストアイドル、史上最高難度ダンスを語る(前編)「泣きながらマネージャーに中止を求めたことも」

左から町田穂花(2期生)、池松愛理(Good Tearsリーダー)、阿部菜々実(Laluce)、長月翠(Laluce、シュークリームロケッツ兼任)、奥村優希(2期生アンダー) 撮影/石塚雅人


阿部 それとakane先生のダンスって、観ているよりも実際に踊るほうが何倍もキツいんです。私もバブリーダンスの動画を観て「すごいな~」とか思っていたんですけど、今考えると、そのすごさが全然わかっていなかった。akane先生に教わるようになってから、(大阪府立)登美丘高校の生徒さんがどれくらい大変なことをしているのか、それが実感できるようになりました。

奥村 あれは本当にすごすぎる……。

阿部 『青春トレイン』を初披露したのは8月10日の神宮花火大会だったんですけど、その前にレッスン場で何十回と踊ってきたんですね。先生から「もう一回踊るよ」って言われるたびに、気持ちが沈んでいくんですよ。

池松 めっちゃわかる! 「はぁ……。今からキツいのが待っているのか……」って思うよね(笑)。

阿部 曲の途中で心が折れたら、もう終わり。死にそうになっても、気力だけは奮い立たせないと負けると思っています。何に負けるかは私もわかりませんけど(笑)。覚悟が必要なんですよ。中途半端な気持ちでは絶対に踊れないです。

──悲壮感すら漂いますね。神宮花火大会のリハ中もメンバーが倒れたようですが。

阿部 神宮花火大会で初お披露目したあと、サマーソニックでもパフォーマンスしたんです。そのときのほうが倒れたメンバーは多かったですね。たぶんそれまでの疲れが溜まっていたんだと思うんですけど。

──野戦病院みたいな光景じゃないですか。テレビで観ていてもいたたまれないくらいなのに、仲間たちが隣でバタバタ倒れていくことをどう感じているんですか?

長月 私、泣きながらマネージャーさんに「もうやめてください!」って頼んだことがあります。まず女ということで、男の人にはわからない体調の変化があるんですよ。さらにアイドルということで、普通の女性よりも身体が小さいメンバーが多いんですね。そんな中、炎天下で何十回も同じことを繰り返していると頭がボーっとしてきて何も考えられなくなるんです。メンバーがバタバタ倒れていくのを見て、誰だっていい気分がするわけありません。このことと関係あるかどうかはさておき、卒業者もたくさん出ちゃいましたしね。これ以上、メンバーが減るのは私だって耐えられないです。

池松 当たり前だけど、「もっといいものにしたい」という気持ちは全員が持っているんです。でも、その練習をするだけの体力が残っていないんですよ。ただ、これをやってよかったなと思うことも本当にたくさんありました。神宮のあと、ネットで評判を見たんですけど、「アイドルなのに、こんなすごいことやるんだ」という声が多かったんですよ。あの場にいたのはラストアイドルのファンじゃない方も多かったから、新鮮に映ったらしいんですよね。サマソニもアイドルファン以外の人にアピールするいい機会だったと思います。
AUTHOR

小野田 衛


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