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UPDATE|2019/09/02

乃木坂46が「真夏の全国ツアー」で見せた新たな挑戦と、桜井玲香卒業を考察する

乃木坂46真夏の全国ツアー2019ファイナル(9月1日/明治神宮野球場)


ツアー最終日となる9月1日は、乃木坂46キャプテン・桜井の卒業の日でもあった。アンコールで、純白のドレスを着た桜井は自身の卒業について語った。16年夏に体調不良で1カ月半休養した際、桜井は芸能界を辞めることまで視野に入れていたが、メンバー、スタッフ、ファンは彼女を支え、復帰への道筋を作った。その時に桜井は「本気でこのグループを守らなきゃと思った」という。

卒業を決めたのは「卒業しても、自分と乃木坂は一生、関わっていく」と思ったから。これまで卒業していったメンバーを見て感じたことなのだろう。「これからも私は『乃木坂』なんだと思っています」と語った。

桜井は卒業ソングである『時々思い出してください』を涙ながらに歌うと、会場中のファンが“桜”が描かれた紙を掲げた。そして、9月4日発売の新曲『夜明けまで強がらなくてもいい』では、センター・遠藤“さくら”とのペアダンスで乃木坂46魂を受け渡すのだった。

さらに『ロマンティックいか焼き』に続いて、アンコール4曲目として本人が「この曲、好きなの~」と選んだのが『僕だけの光』だった(15枚目シングル『裸足でSummer』のカップリング曲)。

2016年10月のアンダーライブ九州シリーズ。本編最後に希望を掴もうとする曲が『僕だけの光』だった。最近では5月24日のアンダーライブ横浜アリーナ公演で、卒業する伊藤かりんがWアンコールの曲として『僕だけの光』を選んだ。『僕だけの光』は乃木坂46にとって特別な曲になりつつある。

実は約5カ月前に桜井は『僕だけの光』について語っていた。「まいまい(深川麻衣)やななみん(橋本奈々未)が卒業コンサートのセットリストを自分で決めたじゃないですか。何年か前に「私だったら何を歌いたいかなぁ」と考えた時、「『僕だけの光』は絶対に入れたい」と思ったんです。『僕だけの光』はメロディラインが良くて、歌っていてすごく気持ちいいから」(『EX大衆』19年5月号)

『僕だけの光』を歌っていると、膝の治療のため全国ツアーで欠席していた井上小百合がサプライズ登場(モバイルメールでも今ライブの不参加を匂わせていた)。桜井と井上は同学年。井上、桜井、中田花奈、永島聖羅、西野七瀬、能條愛未、若月佑美の94年組は乃木坂46メンバーの中で“狭間の世代”と本人は感じていた。しかし、それぞれが『僕だけの光』を見つけてポジションを確立。気づけば94年組は黄金世代になっていた。

そんな94年組も桜井が卒業すると、現役メンバーは井上と中田のみ。桜井と井上が肩を組んで歌う姿には去る者と残る者のドラマがあった。

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