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UPDATE|2019/07/22

松岡菜摘「空いた穴はみんなで埋める」 HKT48がツアー初日で見せた強い“意志”

(C)AKS


鐘の音が3回響くと、場内アナウンスが、「あの支配人からの卒業セレモニーを執り行いたいと思います」と告げる。全メンバーが登壇した。どれも沈痛な面持ちだ。松岡菜摘が、指原との思い出を語ると、他のメンバーが最後のセリフだけ復唱する。学校の卒業式の送辞のパロディーだ。本村碧唯、森保まどか、村重杏奈らもこれに続く。ふざけたセリフを、涙をこぼさんばかりに話すので、会場では笑いが起きる。実にHKT48らしい、明るく真面目でふざけた卒業式だ。

松岡菜摘の呼びかけでファンとともに、「私たちは、あの支配人から、卒業します」と叫ぶと、尾崎豊の名曲『卒業』のイントロが流れる。どこかで歌うだろうと予測はできたが、ド頭に持ってきた。会場は尾崎を知っている世代ばかり。松岡菜摘が斉唱を促すと、「あ♪の支配からの、卒業~」と全員が熱唱。この瞬間、メンバーとファンが同時に指原から卒業した。もう未来だけ見ればいい。振り返るのはやめにしよう。そんな活動がツアーを通じて繰り返されるのだろう。

ようやく『overture』が流れ、『桜、みんなで食べた』『ぶっ倒れるまで』『初恋バタフライ』『早送りカレンダー』で畳みかける。前半のハイライトだ。

MCが終わると、ユニットコーナー。卒業を発表している植木南央はセンターで『ハッピーエンド』を踊る。『愛しさのdefence』は、この日随所で目だっていた運上弘菜、松本日向、水上凜巳花の3人で。田中美久は『火山灰』をソロで歌い上げる(以上、昼の部)。チームキャプテンの松岡菜摘と本村は『タブーの色』を妖艶に踊る。豊永阿紀は『涙の表面張力』で自分の世界に浸る(以上、夜の部)。

ユニット後には寸劇が始まった。松岡はな率いる「指レンジャー」と村重率いる極悪軍団の対決だ。ここはやはり村重の独壇場。グループを後押ししようという自覚も著しい彼女の本領が発揮された(昼夜共通)。

メドレーでは、各48グループの楽曲ばかりか、坂道AKBの『誰のことを一番愛してる?』(松岡はなのソロダンスは必見)、日向坂46の『キュン』、乃木坂46の『ジコチューで行こう!』を披露した(昼夜共通)。

昼の部のメインディッシュは、アンコール明けのMCだった。『最高かよ』で煽り倒すと、一転してしんみりムードになると、田中美久がマイクを握った。以下、全文を掲載する。

「今回のツアー初日は……(泣きそうになり、後ろを向く。場内声援)、あの、莉乃ちゃんとか〇〇くださってた(聞き取れず)先輩方がいないとか、不安とかがすごいいっぱいあって、リハからホントにいろいろ考えてすごい不安だったんですけど、今日コンサート初日を迎えた時に、先輩方や同期、後輩たち、HKT48のみんなが一丸となってこうやってやるコンサートはホントにすごく楽しくて。自分はこれから先、HKT48としても辛いこととかいっぱいあると思うんですけど、このHKT48のメンバーがいたら、美久は、なんだろう、HKT48でよかったなっていう……HKT48……(場内声援)。HKT48がホントにホントに大好きだなって改めて実感しました! 本当にありがとうございます!(場内拍手)」
AUTHOR

犬飼 華


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