従来のブレイクルートからは完全にこぼれ落ちていたはずのPerfume。そんな彼女たちがインターネットの口コミを起点としてスター街道を駆け上がったこの2007年は、奇しくも「テレビ離れ」という言葉が叫ばれるようになった最初のタイミングと重なっている。
同年発表されたインターネット白書2007でも、ネット利用によってテレビの視聴時間が減ったと回答した人はすでに36.9%にも上った。この頃になると一般家庭でもADSLや光回線がかなり普及しており、ネットの高速化と娯楽コンテンツのさらなる充実によって選択肢が増えた結果、それまで圧倒的だったテレビ視聴は、自然と優先順位が下がり始めていく。
コンテンツがテレビに頼らずとも、ブレイクの種をまけるようになっていく時代の潮目。Perfumeの飛躍はアイドル界はもちろん、音楽業界全体においても、テレビ主導の時代が静かに幕を下ろそうとしていることを意味していた。
そしてこの2007年。実はモーニング娘。にも、もう1つの大きな節目が訪れている。
2007年12月31日。テレビが生んだ国民的アイドル・モーニング娘。にとって、この日が現時点で、最後のNHK紅白歌合戦出場となったのだ。
※1『Hello! ヨッスィー』(角川SSコミュニケーションズ)
※2『モーニング娘。 20周年記念オフィシャルブック』(ワニブックス)