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UPDATE|2019/05/09

クロちゃんの考えるアイドル恋愛論「恋愛禁止には『功』の部分もあると思うんです」

クロちゃん



なにも恋愛・結婚・出産を一生するなっていう話じゃないんですよ。一生するなっていうのは、確かにいびつです。人間として健全じゃない。抑えつけたところで、どこかで気持ちが溢れてきちゃうでしょうし。でも寿命が短いとされる女性アイドルだからこそ、何年間か我慢するのはアリだと僕は思うんです。

そもそも恋愛禁止に関しては、功罪の「功」の部分がおざなりにされすぎているんですよ。恋愛禁止という「足かせ」があるからこそ、表現として伸びる可能性がある──。このことをアイドルちゃん当人もファンも真剣に考えてほしいんです。表現というのは、100%の自由があると逆に伸びないですから。これはアイドルに限らず、すべてのエンターテインメントに共通することです。

たとえば役者の世界では、本当の狂人には狂人役が務まらないと言われています。怒りの演技も同様で、いつもブチ切れているサイコパスは逆に演技に説得力がなくなる。それよりは「どうしたら観る人が怖がるか?」「どうしたらイッちゃっているように映るか?」と熟考したうえで、あえて目線を外してから、ギロリと睨んでみる……とかね。そのとき初めて演技が現実を超えるんです。想像力や妄想力が、演技という表現を一段上の段階に持っていくんです。

いいですか? アイドルは自分が恋愛できないにもかかわらず、「あなたが好き」みたいな歌詞に感情を込めて歌っていますよね。そこには妄想力とか情念が必ず作用してくる。だからこそ、ファンの胸にも響くものができてくるんです。

親から放課後は「毎日、5時間勉強しなさい」と言われたら、残された1時間でどうやって遊ぼうか、誰だって必死で工夫するはず。そこで濃密な1時間の遊び時間が生まれる。親だって子供を愛するからこそ、「ゲームは1時間までよ」とか言うわけでね。決して意地悪したいわけじゃない。僕があえてアイドルちゃんに恋愛禁止を言い渡すのは、彼女たちの成長を促したいからなんですよォ! ……えっ、綺麗事すぎますかね?

(『月刊エンタメ』2019年6月号掲載)

クロちゃんの「このアイドルに注目!」
アップアップガールズ(仮)

ももクロ(ももいろクローバーZ)がドカーンとブレイクしたとき、似ていると思ったのがCheeky Paradeとアプガでした。チキパは近未来的な雰囲気で華もあったけど、アプガはどこまでも泥臭くてねぇ(笑)。でも、ももクロって泥臭い要素が強いですから。スターダストのどのグループより、アプガがももクロのイムズを体現している。今はメンバーが2人減ったけど、そのことで持ち前の負けん気がさらに剥き出しになった気がします。

▽クロちゃん
お笑いトリオ安田大サーカスの一員。1976年12月10日生まれ。 広島県出身。大のアイドル好きで、忙しい合間をぬって アイドルライブへと足を運ぶ。ツイッターは@kurochan96wawa
CREDIT

取材・文/小野田衛


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