──でも、結果的にはアイドルに復帰しますよね。そのいきさつは?
金澤 AKB48時代、鈴木紫帆里ちゃんというメンバーとすごく仲がよかったんです。今でもすごく仲がいいんですけど。その紫帆里ちゃんは、私がAKB48を辞めてからもほぼ毎日電話をくれていたんです。それに「ゆうちゃんのファンの人が会いたがっているよ」とか「10期ファンの人が懐かしがっているんだよ」とか、握手会があるたびにファンの方からのメッセージを伝言してくれて。そういうことを聞くと、やっぱり考えちゃいますよね。「こんな私のことを、まだ待ってくれている人がいるのか……」って。
──それはたしかに心がザワつくでしょうね。
金澤 で、そんなある日、事務所の方から荷物が届いたんです。大きな段ボールで4箱。「ん? なんだろう?」って開けるじゃないですか。そうしたら……ファンの方からの手紙がパンパンに詰め込まれていたんです。辞めてから今までに届いた私宛ての手紙全部と、当時のスタッフさんからのメッセージが入っていて。これには、さすがに言葉を失いましたね。
──そこで闘志に火がついた?
金澤 「何があっても絶対に戻らなくちゃいけない!」って決意しました。とにかくすごい量だったから全部読むのに何カ月もかかったけど、手紙の最後は「待ってるよ」とか「また会いたいです」とか「もうちょっといてほしかった」とか、そういう言葉で締められているんですよ。その一方、鈴木紫帆里ちゃんからの電話も変わらずに毎日かかってくるわけです。「何やってるの? 戻ってきなよ。これだけ待ってくれている人がいるんだよ? 私たちだって一緒にステージ立ちたいし」って。紫帆里ちゃん自身、一度AKB48を辞めてから戻ってきているんです。
──なるほど。
金澤 私が芸能界を諦めると伝えたときも、一番怒って、一番引き留めてくれたのが紫帆里ちゃんでした。だからもちろんもう一度AKB48のオーディションを受けることも考えたんですが、ちょうどそのときに読んでいた雑誌で見つけちゃったんですよね。avex アイドルオーディション2012を。
──ここに来て、またしても運命のいたずらが! avex アイドルオーディション2012は「SUPER☆GiRLSにつづけ!!」と謳われており、iDOL Streetの3期生を応募する形式でした。
金澤 SUPER☆GiRLSのことはずっと気にはなっていたんです。というのも私は2010年のオーディションでAKB48に加入して、同じ2010年にスパガは結成されたんです。
──言わば同期のような感覚だったと。
金澤 だからスパガは気になる存在ではあったんですけど、決定的に好きになったのは『1,000,000☆スマイル』のMVでした。「なんだ、この可愛い子たちは!」ってショックを受けましたし。