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UPDATE|2019/03/25

「バラバラでいい」と語る乃木坂46桜井玲香のキャプテン論

雑誌やweb媒体でアイドルの記事を数多く執筆するライターの左藤豊氏が、1週間アイドルたちが出演するレギュラー番組や冠番組をチェック。その週、テレビで輝いていたアイドルたちについて思い入れたっぷりに語ります。第6回となる今回の観測期間は3月18日(月)~3月24日(日)。



目下アイドル界で飛ぶ鳥を落とす勢いの「坂道シリーズ」。乃木坂46・欅坂46・日向坂46の3グループ共演が実現したのが、3月23日(土)放送の『坂道テレビ〜乃木と欅と日向〜』(NHK総合)。この番組では乃木坂46のコンサートに欅坂46メンバーが潜入取材したり、グループの垣根を越えたトークを展開したり、さらに坂道ファンを公言する著名人のコメントも挿入されるなど、とても見応えのある1時間半だった。

中でも特に印象に残ったのが、3グループキャプテン鼎談での乃木坂46・桜井玲香だった。もし「乃木坂46って今売れてるらしいけど、それを率いるキャプテンってどんな人なんだろう? きっと強力なリーダーシップの持ち主なんだろうね?」という気持ちでチャンネルを合わせた人がいるとしたら、その飄々とした桜井の姿に拍子抜けしたのではないかと思うのだ。

アイドルグループの“リーダー”としてまず名前が浮かぶのは高橋みなみ(元AKB48グループ総監督)だろう。しかし桜井は「(高橋を)真似しようと思っていた時期もあったけど全然できなかった」と語り、さらには「(キャプテンを辞めたいと思ったことは)めっちゃある。今でも辞められるなら辞めたい」と告白。「私はまとめるタイプじゃない。誰かやってくれないかな、みたいなタイプ」と語るように、桜井は“強権的なリーダーシップ”とは無縁の人なのである。

ただ、もしかすると彼女がキャプテンだったからこそ今の乃木坂46の成功があるのかもしれない。乃木坂46は常設劇場がないぶん平時は個人としての活動も重要となるのだが、各メンバーがモデルや舞台、他にも個性を活かした分野で大活躍しているのを見ると、あえて強い“縛り”を設けないことが結果的に各々の長所を伸ばすことにつながったのではないだろうか。

「一つになれるときになれば、普段はバラバラでも全然いいと思う」――あっけらかんとした表情とは裏腹に、桜井のその言葉からは自主性とメリハリを重んじる彼女のキャプテンとしての意図を感じた。
AUTHOR

左藤 豊


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