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UPDATE|2022/10/29

キュウ・ぴろが明かす錦鯉に解散を止められた夜「M-1なんてお前らのための大会だろう」

キュウ ぴろ 撮影/松山勇樹

スローテンポの異質な漫才で独走中、タイタン所属のコンビ、キュウのぴろ。Mー1グランプリでは、2020年、2021年共に準決勝進出。2022年ツギクル芸人グランプリでは決勝に進出している実力派だ。今回、ネタ作りを担当するぴろに、芸人としてのキャリア、そして今年のM-1グランプリにかける思いを聞いた(前後編の前編)。

【写真】スローテンポの異質な漫才で独走中、キュウ・ぴろ

──キュウの漫才は、アドリブは入れないんですよね。

ぴろ アドリブはゼロです。僕はM-1世代というか、M-1を観て「漫才ってカッコいいな」と影響を受けたので、無駄のないM-1のネタが理想形。時間制限のある中、極限まで削ぎ落とした、大会当日のボディビルダーみたいなネタに美しさを感じるんです。

──寄席でやるような漫才ではない。

ぴろ そうですね。営業に行っても、地元のネタとか客いじりみたいな「つかみネタ」はしないで、そのままネタをやりますから。

──キュウは定期的に単独ライブを行なっていますが、単独ライブはコントのほうがやりやすい印象があります。

ぴろ 漫才だからこういう見せ方をしなきゃいけない、みたいなことを考えたくないんです。僕らにとって単独ライブは、キュウの漫才の世界を広げることだと思ってます。全部のネタが暗転板つきではじまって、「どーも」も変だからやらないし、単独ライブに来ている人は僕らを知っているはずなので「キュウです」と名乗ることもないし、終わってからのトークもない。ただ、漫才である理由があるようにしています。

──キュウはシステムにハメこむようなネタがない印象があります。

ぴろ システムは全部違うようにしてます。やったことがあるシステムは、極力やりたくなくて。似たように見えても確実に違いがあるんです。「めっちゃええやん」だけはフレーズを残して何本も作ったネタで、初めてパッケージを掘り下げました。

──実験を繰り返していると。

ぴろ そうですね。ためしてガッテンというか。

──ガッテン。20年と21年、M-1で2年連続準決勝に行ったことで、変化はありましたか?

ぴろ まわりの芸人が僕らの存在を認めてくれるようになって、キュウが完成しつつあるのかなと思います。最近思っていることなんですけど、芸人はネタを作って世に出ようと頑張っているんですけど、ただネタを作っていても成功しないんじゃないかと。僕らはキュウというブランドを完成させるためにネタを作ってきたと思ってます。ネタを作るというより、キュウを作ってきたんです。それが一昨年と去年で、キュウの輪郭がハッキリした。

──だからこそ、今年のM-1は結果を出したいですね。

ぴろ 最低でも決勝に進みたいです。


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