AKB48の新曲や新公演、SKE48立ち上げ時に振り付け・レッスンを担当し、メンバーに多大な影響を与えた牧野アンナ。村山が触れ合ったのは、2018年4月からAKB48劇場で上演された牧野のプロデュース公演「ヤバイよ!ついて来れんのか?!」でのことだった。
「プロとして大切なことをたくさん教わりました。今でも思い返しています。私はキャプテンとして参加していたから、どう振る舞うべきなのか。プレイヤーとして以外のことも教えていただきました。アンナさんは最近、SKE48チームSの新公演のレッスンをしていましたよね? その動画がYouTubeに上がっていたから観たんです。私、泣いてしまいました。新公演が始まって羨ましいなという感情もあったし、アンナさんがSKE48のメンバーに伝える言葉は、まるで自分に言われているようで、胸に刺さりました」
牧野への尊敬を隠さない村山に聞いてみた。「村山さんがメンバーを育成するという考えは?」
「なきにしもあらずですけど、先のことは本当に分からないです。というのも、私は育成だけでは満足できない人で。今は自由だからこそ手を貸してあげたくなっているのですが、正式に後輩指導がスケジュールとして組み込まれると、途端にやる気がなくなると思うんですよ。ごめんなさい、私、普通じゃなくて(笑)」
まだまだ指導者に回る気はない。シアターの女神は現役バリバリだ。そんな彼女にとってステージは日常の延長。
「私はアイドルの自分を見てほしいと思っているわけではなくて、そのときの感情をそのまま伝えたいんです。たとえば、その日に病んでいるとしたら、あえて病んだままステージに立って踊ります。そこで、ファンの方が『今日のゆいりーはどこか表現が違ったね』と言ってくれたら、私の勝ちです。それは表現の振り幅が大きくなったということですから」
今年で11年目の25歳。村山彩希は自身の手で当たり障りのない未来を築いていく。
(取材・文/犬飼華)
▽村山彩希(むらやま・ゆいり)1997年6月15日生まれ、神奈川県出身。13期生。ニックネームは「ゆいりー」。2011年9月24日にAKB48第13期研究生オーディションに仮合格、2012年8月5日にセレクション審査合格。AKB48の51stシングル『ジャーバージャ』で初めて選抜メンバーに選出された。劇場公演に並々ならぬ熱意を持つため、“劇場の女神”と呼ばれている。
Twitter:@yuirii_murayama
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