──コロナ禍でどんどんと追い詰められていく三知子の姿には、胸が苦しくなることがありました。演じていて、つらくなることはありませんでしたか。板谷 シーンによっては心情的につらいことはありましたけど、つらい……というよりも、孤独感が強かったです。私は悪いこともしていないし、まじめに生きてきただけなのに、なんで独りぼっちなんだろうっていう気持ちはずっとありましたね。
──完成した映画を観て、どんな感想を持ちましたか。演じていたときと印象が変わった部分などはありましたか。板谷 率直な感想は、高橋伴明節全開だな、でした。伴明さんが言いたかったことは、これなんだと改めて実感しましたし。ずっと三知子の目線で作品を観ていたのもあって、完成した映画からは全体像として伴明さんが伝えたかったメッセージをより強く感じました。それは、観ていただいた方にも強く伝わるはずです。(取材・文
吉田光枝)▽ヘアメイク:結城春香
スタイリスト:古田ひろひこ
衣装:SINME
【後編はこちら】板谷由夏がホームレスに転落する女性に「コロナ禍で同じような経験をした人はたくさんいるはず」