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UPDATE|2022/09/24

板谷由夏17年ぶりに映画主演「まじめに生きてきただけなのに、なんで独りぼっちなんだろう」

板谷由夏 撮影/武田敏将

板谷由夏が高橋伴明監督の最新作、映画『夜明けまでバス停で』に主演する。本作は、バス停で寝泊まりしていたホームレスの女性が突然襲われる、という2020年冬に起きた事件をモチーフに、誰しもが置かれるかもしれない“社会的孤立”を描いた社会派ドラマ。コロナ禍でホームレスに転落してしまう主人公・三知子役を演じた板谷に、役作りや本作で伝えたいメッセージなど話を聞いた。(前後編の前編)

【写真】17年ぶりに映画主演する板谷由夏の撮り下ろしカット【8点】

──実際にあった事件をもとに、社会問題を描く本作。出演の決め手を教えてください。

板谷 決め手はもう高橋伴明さん一本でした。伴明さんが映画を撮る、それを一緒にやらないか、と言ってくれた。断る理由は一つもないですよね。

事件については、ニュースとして存じ上げていましたし、今の時代だからこその事件だなと悲しく思ったりもしたんですけど、伴明さんがその事件を題材にしたいと思われたのはすごく伴明さんらしいなと。この事件を通じて、世の中に強いメッセージを伝えたいんだろうなと感じました。

──高橋伴明監督とは、約20年ぶりのタッグとお伺いしています。久々の高橋監督はいかがでしたか。

板谷 タッグなんて恐れ多いですよ。(連合赤軍事件の映画化に挑む、スタッフとキャストたちの姿を描いた)『光の雨』(2001)ではキャストの一人として参加していた感じだったので、もう巨匠。怖い巨匠の高橋伴明というイメージでした。今もそれは変わらないですし、私にとっては親鳥みたいな存在の方。そういうものが20年続いて、やっと自分も40代になってお芝居の話が出来るようになったからこそ、伴明さんがこうしてほしいと思ったことが少し出来るようになったのかなって。そう思えた瞬間が今回何度もあったので、お芝居を続けていてよかったなと思いました。

──撮影現場はいかがでしたか。

板谷 一番印象に残っているのは伴明さんの現場は早い、ということですね。めちゃくちゃ早いんです。無駄なものを撮らないから。リハ1回、本番1回で終わっちゃうんです。私は「今のOK?監督、これで大丈夫?」と思ったりするんですけど、伴明さんは「じゃあ、帰るぞ~」って(笑)。1回しか撮らないから、そういう意味では緊張感がありました。


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