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UPDATE|2019/02/14

「アイドル」が世界を席巻する日 AKB48グループの海外展開を考える

インドネシア・ジャカルタ拠点のJKT48、タイ・バンコク拠点のBNK48、フィリピン・マニラ拠点のMNL48、台湾・台北拠点のAKB48 Team TP、中国・上海拠点のAKB48 Team SH、ベトナム・ホーチミン拠点のSGO48……と国内のみならずどんどん海外に広がっていくAKB48グループ。今後はインド・ムンバイを拠点とするMUM48の結成も発表されている。今、世界で各グループはどんな動きをみせているのか? 海外姉妹グループが大躍進した2018年を振り返るとともに、2019年の動向を占う。



2018年、平成最後の年。この1年は48グループの歴史を語る上で、とてつもなく大きな1年となった。それは先日のNMB48山本彩の卒業、向井地美音次期総監督の誕生、HKT48指原莉乃卒業発表……はもちろんのこと、「海外姉妹グループの躍動」という新たな1ページを加えたからだ。

大きなトピックだけをさらっても、「世界選抜総選挙」と題し、海外姉妹グループ初参加大会となった第10回記念の選抜総選挙(6月16日)、昨年末開催の「第69回NHK紅白歌合戦」では、AKB48がBNK48と共に『恋するフォーチュンクッキー』を披露と、今や日本のお茶の間にも届きうる存在となりつつある様子だ。

海外展開の意義について、プロデューサー秋元康氏はかつて、NHKのドキュメンタリー番組『追跡!AtoZ』にて、こう語った。

「これからのコンテンツはどれだけ見たことがないものか、濃いものが強い。濃ければ濃いほどフォーマットは世界に広がる(中略)。(海外の)見る方は、日本からやってきた“アイドル”とはなんだろう?と(思うだろう)。僕はクリエイターとしてそこの出会いが面白いと思った」

つまり「大所帯アイドルグループ」という日本独自のコンテンツは、世界の娯楽に穴をあける存在だと。氏の目論見はまさに的中。2011年にインドネシア・ジャカルタで発足した初の海外姉妹グループ「JKT48」が国内で爆発的な人気を誇り、インドネシアの芸能シーンを変えるまでのシンドロームを巻き起こした。48という独特のスキーム、メンバーたちが織りなす“個々のドラマ”は、海外エンタメ市場に一石を投じたのだ。

今年1月27日には、AKB48と全海外グループの計7グループが集う一大イベント「AKB48 Group Asia Festival 2019」をタイ・バンコクで開催。このイベントを皮切りに、国内外での存在感をさらに高めつつある海外姉妹グループ。ここからは、各グループの動向を追っていきたい。

まずは2016年3月に発足が発表された、BNK48、MNL48、TPE48の3つに触れていこう。

CREDIT

文/田口俊輔


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