──岡井さんは℃-ute時代からバラエティで活躍していましたけど、そこを本職にするにあたって芸風を見直したりしました？
岡井 まだ自分が℃-uteにいたときから、すでにその壁にはブチ当たっていたんですよ。℃-uteのMCでウケるようなことが、テレビではまったくウケないということが結構あったんです。というのも、ハロプロのファンの方っていうのはめちゃくちゃ優しいんですね。ファンの方がいっぱいいるコンサートだったら、セリフを噛んだだけで笑ってくれるじゃないですか。バラエティで噛んだりしたら、それこそ「しら～」ですよ。「何やってるの？」って白い目で見られて終わり。
──単なるミスですからね（笑）。
岡井 ハロプロでMCをやっていると、調子に乗っちゃうんです。何しゃべってもウケるから。つっこんでくれるファンの方までいますからね。ものすごく温かい空間だと思います。アイドルファンって本当に優しいですよ。
──そこから急に厳しい戦場へ向かったわけですね。
岡井 でも、そんな鼻息荒く意気込むような感じでもなかったかな。自分の実力的に、そんな上の方にいけるとは思えなかったですから。いや、もちろん成長したいという気持ちはありますよ。だけど毎日テレビに出ている方って、間近で見ると本当にすごいんです。自分がその人たちに勝てるなんて、とてもじゃないけど思えなかった。自分のペースでやっていくことが大事で、「とにかくいっぱいテレビに出たい！」みたいな欲はなかったんです。1日に3本も4本も番組をこなすより、「岡井を呼んでよかった」ってスタッフさんから思われることが大事じゃないかって考えていたので。
──めちゃくちゃ謙虚ですね。
岡井 それくらい大変な世界なんですよ。他のタレントさんを見て、「私じゃ生き残れないな」って思うこともしょっちゅうありますし。バラエティって最終的に“役割”が重要だと思うんです。たとえば鈴木奈々ちゃんの役割を私はできない。でも、鈴木奈々ちゃんも私の役割をできないかもしれない。チームワークで1本の番組を作るイメージなんです。
──それでいうと、バラエティタレント・岡井千聖の強みはどこにあるとご自身では考えますか？
岡井 その場の空気になじむのは得意な方だと思います。キャラが立っていて強烈な存在感があるっていうタイプではなくて、最初からそこにいるような雰囲気が出ているというか。だからバラエティの中でも激しいノリよりは、安定した感じを求められているのかも。
