──ホラー映画の演技は、普通の映画とは違う点も多かったのではないでしょうか。
本田 これまでは自然な演技を勉強してきたので、何か驚くようなことが起きると、すぐに反応してビックリするのが普通だと思っていました。ところがホラー映画では、まず出来事を見せてから、ビックリするというか、ホラーならではの間の取り方があるんです。事前に監督からも「お客さんにビックリしてもらうことが第一なので、自然な演技を求めている人(役者)には難しいよ」と言われました。
──ホラー映画は緻密な計算の上で成り立っている作品が多いですからね。
本田 監督は、お芝居自体は演者に任せてくださって、間の取り方や動きのタイミングを毎シーンで教えてくれました。だから舞台のような感覚もありましたね。
──本田さん演じる宮崎明日香は正義感の強い女子高生ですが、どんな役作りを意識しましたか。
本田 一本筋の通っている女の子なんですけど、あまり大人っぽくなりすぎずに、素直さや純粋さなど、しっかりと高校生らしさを残そうという風に意識して取り組みました。
──完成した作品を見て、どんな感想を持ちましたか。
本田 結末を知っているのにも関わらず、「うっ!」てなっちゃいました(笑)。ただ、この作品の面白いところはホラーなんですけど、ホラーが全てじゃなくて、追い込まれたときの人の本心みたいなものが描かれているんです。きっと見終わったお客さんは、「この映画怖かったね」だけじゃなくて、それとは別の感想も生まれると思うので、シンプルに「ホラー映画です」という風に伝えてはいけないなと思いました。