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UPDATE|2022/03/25

最後の瞬間も笑顔で…乃木坂46 北野日奈子が卒業コンサートで歌った『日常』の意味

乃木坂46 北野日奈子2nd写真集「希望の方角」(白夜書房)

乃木坂46 北野日奈子の卒業コンサートが3月24日(木)に神奈川県「ぴあアリーナMM」で開催された。涙よりも笑顔が多かったコンサート。結成当初より乃木坂46を取材するライターの犬飼華氏が、彼女のアイドル人生を振り返りながら、その笑顔の意味を考える。

【関連写真】涙よりも笑顔が目立った乃木坂46北野日奈子の卒業コンサートの模様【14点】

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 卒業コンサートだというのに、北野日奈子は笑顔だった。曲中も、MCも、本来なら泣いてしまうことも多いラストスピーチでも笑顔が多かった。それはどうしてなのか? その理由を考えながら最後の晴れ姿を私はじっと観ていた。

 乃木坂46の2期生として加入してきた北野日奈子を初めて取材したのは、加入した2013年の10月。まだ17歳だった。約2か月前に初パフォーマンスを披露したばかりだった。

 話を聞いてみると、アイドルに憧れていたという。AKB48の前田敦子のファンだった。だが、積極的にアイドルになりたいと思ったわけではない。白石麻衣のファンだった友人が北野に乃木坂46のオーディションを勧めてきたが、北野は一度断った。しかし、友人はめげることなく北野に内緒で書類を送った。これがすべての始まりだった。しばらくすると、一次審査合格の通知が北野宅に郵送されてきた。そこで初めて自分がオーディションを受けていることを知った。母からは怒られたが、父は「すごいじゃないか。なんでもやってみることが大事なんだ」と賛成してくれた。

 レッスンでは同期から後れを取った。ダンスは苦手だった。同期のあいだでは最下位争いを演じていた。元バスケ部。筋肉質でもある。運動神経はいい。しかし、ダンスが体に浸透するまでに時間がかかるタイプだった。

 彼女の持ち味は笑顔。周囲を明るくさせる力があった。2期生のなかでは堀未央奈に続いて、選抜入りを果たした。

 初めての取材でも語っているが、彼女は「不器用」だった。いつも笑顔を浮かべているが、内心は常に不安と闘っていた。その不安は徐々に大きくなっていった。選抜とアンダーの行き来を繰り返すようになり、心なしか、取材中の笑顔も減っていった。

 2017年夏、北野は休業を選択した。
AUTHOR

犬飼 華


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